所有という神話

市場経済の倫理学

大庭健(哲学)

2004年7月31日

岩波書店

3,740円(税込)

人文・思想・社会

利潤という獲物を追って、負け組になるまいと日夜走りつづける。私たちは、そこで何を犠牲にしているのだろうか。市場経済という一つの社会システムによって、環境システムは破壊され、心的システムは目に見えないままに腐食される。もろもろのシステムは、互いに汚染し合って危機は加速度的に深まってゆく。企業倫理の無残な崩壊も、さまざまな事件の背後にある自閉化も、その現れではないか。市場システムを倫理的に問うための、条件と根拠はどこにあるのだろうか。市場メカニズムを、自己組織システムの理論を援用しつつ解明し、経済行為を駆動している「所有」という観念の由来をたずねる。システムの孤立した一要素としての経済人モデルに替わって、他者たちと私との存在の相互承認に基づく平等と、そこに基礎を置く「人ー間」的関係のヴィジョンを模索する。効率性における優位は疑うべくもなく、他に選択肢はないかに見える市場システムの人間的・倫理的含意を考察する、「人ー間の倫理学」に向けて。

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