知的障害と裁き

ドキュメント千葉東金事件

佐藤幹夫

2013年10月31日

岩波書店

2,970円(税込)

人文・思想・社会

2008年9月、東金市の住宅街で女児の遺体が発見される。逮捕された青年には、軽度の知的障害があった。取り調べ、起訴、精神鑑定、公判前整理手続、一審から最高裁に至る一連の司法手続きで、いかなる事態が起こり、何が争われたか。無罪主張の撤回と主任弁護士の辞任をもたらした弁護団との「コミュニケーション」の困難。裁かれることにおける被告Kの当事者としての意思決定、その「自由」と「責任」に起因する根本的な矛盾とジレンマ…。いま、刑事司法と障害者福祉が向き合わねばならない新たな難問が浮き彫りにされる。

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