「平和国家」の誕生
戦後日本の原点と変容
和田 春樹
2015年12月3日
岩波書店
2,970円(税込)
人文・思想・社会
敗戦直後の九月四日、昭和天皇は「平和国家ヲ確立」すべきとの勅語を発した。日本軍に守られることなく空襲に生命と生活を奪われた国民は、反戦反軍の意識で「平和国家」への転換を支持した。知識人はこれに「非武装・非戦」という内容を与えた。一九四六年元旦に六年生の皇太子が「平和国家建設」と書き初めに記したとき、「非武装・非戦の国家」は国民の総意となっていた。新憲法の第九条は、この天皇と国民の総意にもとづいて生まれたのだ。同時代を生きてきた歴史家が、その原点と変容に新たな光をあて、「平和国家建設」の道筋を力強く発信する。
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