忘却された支配
日本のなかの植民地朝鮮
伊藤智永
2016年7月31日
岩波書店
2,420円(税込)
人文・思想・社会
戦争体験と比べて、意識されることの少ない「植民地支配」の記憶。だがふとした日常に、その消えない記憶、忘れられない遺物が見え隠れする。宇部、北海道、筑豊、紀州、知覧、そして四国…炭鉱や特攻で死んだ植民地出身の犠牲者を想起し、追悼しようとする人びとの営みをたどる。植民地支配の体験とはなにか、それは日本にどのような感情や記憶を刻み、当時と今になにをもたらしているのか。毎日新聞の連載「支配した国 強制の記憶」をもとに単行本化。
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starstarstarstar 4.0 2019年05月25日
港北図書館より借りて読んだ。 東学農民戦争は日本軍によるジェノサイドだったことは知らなかった。 実在する資料に基づいて日本軍が朝鮮に何をしたかを分からせてくれる貴重な本 戦前は、植民地を「植民地ではなく、支配もしていない」というフィクションにすり替えようとした。戦後は、敗戦によって連合国から突然、植民地を放棄させられたので、植民地の人々から独立戦争の銃口を向けられる「真っ当な」脱植民地化を経験しなかった。「押し付け憲法」ならぬ「押し付けられた脱植民地化」は、自分たちが行った歴史の後始末を、他人任せにしてすり抜けたようなものだ。こうして、フィクションから覚醒する機会を逸したまま、漫然と七十年が過ぎた。(P.204)
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港北図書館より借りて読んだ。 東学農民戦争は日本軍によるジェノサイドだったことは知らなかった。 実在する資料に基づいて日本軍が朝鮮に何をしたかを分からせてくれる貴重な本 戦前は、植民地を「植民地ではなく、支配もしていない」というフィクションにすり替えようとした。戦後は、敗戦によって連合国から突然、植民地を放棄させられたので、植民地の人々から独立戦争の銃口を向けられる「真っ当な」脱植民地化を経験しなかった。「押し付け憲法」ならぬ「押し付けられた脱植民地化」は、自分たちが行った歴史の後始末を、他人任せにしてすり抜けたようなものだ。こうして、フィクションから覚醒する機会を逸したまま、漫然と七十年が過ぎた。(P.204)
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