歴史叙述としての映画
描かれた奴隷たち
ナタリー・ゼーモン・デーヴィス / 中条献
2007年12月31日
岩波書店
3,300円(税込)
エンタメ・ゲーム
数千年の昔から続く「歴史を語る」という行為。映画はその新しい手段の一つである。『スパルタカス』、『ケマダの戦い』、『天国の晩餐』、『アミスタッド』、『ビラヴド』。奴隷であるがために自ら記録を残すことのなかった人びとに注目し、かれらの誇り高き姿と抵抗の声を伝えようとした五つの映画作品が、あざやかに分析される。社会史、女性史、文化史、ジェンダー研究、歴史人類学の新しい地平を切り開き、また『帰ってきたマルタン・ゲール』において、自ら映画づくりに関わった著名な歴史家が、想像力と実証、真実と虚構との関係を厳しく吟味しつつ、映画による歴史の語りへの期待を綴る一冊。
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