蒋介石の外交戦略と日中戦争

家近 亮子

2012年10月24日

岩波書店

3,080円(税込)

人文・思想・社会

抗日戦争を指導し勝利したのは国民党だったのか、中国共産党だったのか?蒋介石の外交戦略の意図を明らかにし、日中戦争における中国の外交と戦術が「五大国」の一つに数えられるという国際的地位の向上に果たした実態を通して、歴史の真実に迫る。蒋介石は、なぜ満洲事変で日本との武力衝突を避けたのか?なぜ盧溝橋事件で「最後の関頭」を決意したのか?なぜ首都南京の攻防戦で正規軍を撤退させたのか?毛沢東共産党と汪精衛親日政権をどう見ていたのか?蒋介石は孫文の「外交は新時代の武器」という言葉を発展させ、「外交は無形の戦争」と主張した。蒋介石関連資料とりわけ「蒋介石日記」と台湾の档案史料を日本で初めて本格的に使って活動記録を再現。中国共産党が作り上げたストーリーとは異なった抗日戦争史を描くことに挑戦し、「持久戦」「安内攘外」「反共抗ソ」「以徳報怨」などを唱えた蒋介石の外交戦略の内在的論理を明らかにする。

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