藤岡作太郎 「文明史」の構想

近代「国文学」の肖像 2

陣野 英則

2021年8月20日

岩波書店

3,630円(税込)

人文・思想・社会

明治期、「文学」概念がゆらいでいた時代の中で、その独自の感性と知見から、歴史、藝術、思想へと関心を広げ、「国文学」の枠に収まらない学際性を発揮した藤岡作太郎。男性側の価値観から解放された文学史の叙述をはじめ、風俗史、絵画史などの歴史研究、思想史へのアプローチなど、幅広い領域にわたる業績の真髄に迫る。 略 伝  一 はじめにーー藤岡作太郎に注目する意味  二 略歴  三 秀でた学友たちとの交わり 第一章 「文明史」を志向する  一 「文明史」への意識  二 文学研究からの越境ーー風俗史と絵画史を中心に   1 『日本風俗史』の場合   2 『近世絵画史』の場合  三 思想性の獲得へ   1 「国民思想」をめぐる構想   2 西田幾多郎からの批評   3 自然への「愛」という理解   4 『善の研究』以前の講義草稿と『国文学史講話』 第二章 「文学史」を構想する  一 明治期の国文学   1 明治期前半、学制の転変と国文学   2 「文学」概念のゆらぎ  二 「文学史」濫造の中で   1 濫造される「文学史」   2 永井一孝による「文学史」関係の著作の評価  三 『国文学全史平安朝篇』のあたらしさ   1 なぜ平安朝の文学史か   2 「女子的」な時代の文学を肯定する  四 「国民性」をめぐる議論とナショナリズム   1 芳賀の「日本文献学」と「国民性」   2 藤岡とナショナリズムの関わり 第三章 鑑賞的批評の確立  一 「平安朝の一人となりて」  二 『源氏物語』の構成把握   1 構成をめぐって   2 物語の終結をめぐって  三 『源氏物語』の注釈史・研究史を受けて   1 注釈史の受けとめ方   2 「準拠」もしくは引用、そして「本意」の問題 まとめ  主要参考文献  略年譜  図版出典一覧  後 記

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