ノスタルジアとユートピア

クリティーク社会学

若林 幹夫

2022年3月26日

岩波書店

2,420円(税込)

人文・思想・社会

情報化やグローバリゼーションは、人々の場所性/時間性を喪失させつつある。こうした喪失によって欲望される居場所とは、どのようなものか。私たちが「いま・ここ」で見失っている「見当識」はいかに取り戻せるか。〈ノスタルジア〉と〈ユートピア〉という主題の歴史と現在の変奏として分析し、考察する。【解説:奥村 隆】 序章 〈一〉と〈二〉、あるいは〈一〉ではないもの  『ラ・ジュテ』  時間としての世界、空間としての世界  過去と未来の現実性  グアラニ族  〈一〉であることと、〈二〉であること  ノスタルジアとユートピア  不可能性の時代?  主題と変奏 第1章 時間と空間の地形学(トポグラフィー)  〈いま・ここ〉とそれを超える世界  動物から見た世界  人間の見る世界  社会の地形  時間の地形  時間の空間性  世=界の体制と〈いま・ここ〉を超える世界への定位(オリエンテーション) 第2章 〈あること〉と〈あるべきこと〉  場所的な病、時間的な感傷  経験していない過去へのノスタルジア  楽園へのノスタルジア、永遠へのノスタルジア  ユートピアへのノスタルジア  ユートピア  本来性へのノスタルジア  〈あること(Sein)〉と〈あるべきこと(Sollen)〉 第3章 〈他の空間〉から〈他の時間〉へ  〈他の空間〉への想像力  〈他の空間〉から〈他の時間〉へ  ユートピア的社会主義  地上の未来のユートピア  世界から抜け出してゆく社会ーー故郷喪失と世界喪失  マンハイムの四つのユートピア  歴史の現実へ 第4章 〈進歩〉の中のユートピアとノスタルジア  ユートピアの終わり? 歴史の終わり?  ユートピアの精神、ユートピアの系譜  危機の時代と生きられる時間  進歩が世界を支配する  ユートピアとしてのネーション  二十世紀のユートピアたち  ノスタルジアとしてのナショナリズム  進歩の主体としてのネーション 第5章 〈一〉になった世界  歴史の終わりとポストモダン  成長の老化、延長する現在  ポストユートピア  異なる体制があること  グローバルな一つの世界  資本主義リアリズム  バーチャルの時代  身体へのノスタルジア  対抗リアリズム  “進歩と未来の共同体”へのノスタルジア  〈いま・ここ〉のユートピア、〈いま・ここ〉へのノスタルジア 結章 再び〈二〉または〈多〉である世界へ  文献  解説ーー失われた見当識(オリエンテーション)を求めて……………奥村 隆  あとがき

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