ヒューマニティーズ 経済学
諸富 徹
2009年8月27日
岩波書店
1,540円(税込)
ビジネス・経済・就職
はじめに 一、社会認識の学としての経済学──経済学は社会の役に立つのか ㈠ 「科学」としての経済学 ㈡ 効率性と公平性──科学にとっての価値の問題 ㈢ グローバリゼーションのインパクト ㈣ 「概念装置」としての経済学 市場と国家/経済学における「自然の体系」と「人為の体系」/ 「金融経済」と「実物経済」の二分法/経済システムを担う主体は誰か/動態的視点の重要性──今後、資本主義経済システムはどのように変わっていくのか 二、経済学はどのようにして生まれたのか──そして、それはどのように発展を遂げたのか ㈠ 経済の再生産と資本蓄積 ケネー「経済表」と租税による社会改革/アダム・スミスにおける「自然的自由の体系」と国家/リカードの資本蓄積論と租税転嫁論 ㈡ 資本蓄積と貧困・搾取・恐慌──マルクスの経済学 資本主義経済の基本問題/マルクスによる資本主義経済分析/マルクス以降の資本主義とマルクス経済学 ㈢ 「私的なもの」と「社会的なもの」の乖離──ピグーによる市場介入の経済学 資本主義経済システムの変貌と「自由放任の終焉」/所得再分配と累進所得税の正当化 ㈣ 資本主義の不安定性と「人為の体系」の確立──ケインズの経済学の革新性 「豊富の中の貧困というパラドクス」/投機がもたらす資本主義の不安定性/ 「自然の体系」から「人為の体系」へ ㈤ 技術革新と資本主義発展のビジョン──シュンペーター『経済発展の理論』 三、経済学の未来はどうなるのか──または、経済学はこれから何を考えていくべきか ㈠ 変容する国家と市場の関係 市場を補完する国家/ 「公正な競争ルール」としての規制/ 「規制国家」が果たす積極的な役割 ㈡ 「実物経済」の「金融経済」に対する優位 二〇世紀的現象としての「実物経済」と「金融経済」の分離/ 「人為の体系」としてのブレトンウッズ・システム/新たな「人為の体系」への復帰の必要性 ㈢ 「ケインズ連合」の崩壊 ㈣ 資本主義の未来とその「非物質主義的転回」 資本主義の将来ビジョン/ 「わが孫たちの経済的可能性」/ 「非物質的労働」論 四、経済学を学ぶ意味とは何か──読者への期待を込めて 五、経済学を学ぶために何を読むべきか おわりに
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