人文主義の言語思想

フンボルトの伝統

ユルゲン・トラバント / 村井 則夫 / 齋藤 元紀 / 伊藤 敦広

2020年2月9日

岩波書店

9,460円(税込)

人文・思想・社会

言語を基盤に人間存在の意味を探究したドイツ人文主義。その中心人物の一人ヴィルヘルム・フォン・フンボルトは、言語と知性の多様性を唱え、比較人間論を構想した。彼の言語哲学が、ライプニッツ、ヴィーコ、ヘーゲル、デリダ等と共振しつつ織りなす諸伝統を、言語哲学者トラバントが壮大な思想史として描き出す。 凡 例 序 文 第一章 「恣意的記号からかけ離れたもの」--ダンテからフンボルトまでのヨーロッパ言語記号論  一 記号  二 母語の発見と記号論の伝統  三 ラテン語の刷新と新たな記号論の出現  四 俗語の勝利と、記号論的伝統への回帰  五 失われた普遍性を求めて  六 個別言語の意味論への道ーー世界観  七 根源の記号学  八 記号・言語・象徴 第二章 思考の形成器官ーーフンボルト言語思想の基本的特徴  一 サンスクリットで食卓談話(テーブルトーク)を  二 ヴァレンシュタイン  三 総合  四 多様性  五 バベルの塔と聖霊降臨(ペ ンテコステ) 第三章 知性の多様性ーー人間学と言語学  一 比較人間学  二 比較言語研究  三 フンボルトの影響 第四章 言語学の内的概念ーーフンボルトとライプニッツ  一 ライプニッツ以降  二 「諸言語の例証から」  三 起源ーー歴史を超越する  四 系統ーー歴史  五 偉大なるライプニッツ 第五章 境界線の彼岸ーー言語の起源  一 一七七〇年ー(一八二〇年)-一八五〇年  二 ヘルダーの主題ーー言語起源  三 自然の欲求  四 境界線を踏み越える 第六章 新たな言語の成立ーーロマンス諸語の誕生  一 有機的形成期の歴史的な追跡  二 多様性の成立  三 形式の多様性と同質性  四 イタリア語 第七章 ヴィーコとフンボルトにおける想像力と言語  一 ローマとアメリカ  二 想像力  三 物語(favola)から言葉(favella)へ 第八章 聴取と応答ーー 一八〇〇年前後のドイツ言語哲学における耳から声への移行  一 声ーーヘーゲル  二 聴くことと応答することーーフンボルト  三 耳ーーヘルダー  四 聴取中心主義から音声中心主義へ 第九章 フンボルトのグラマトロジー --言語の本性への斬新な洞察  一 新たなグラマトロジー的関心について  二 フンボルトとヘーゲル  三 不安定な保持  四 音声中心的なもの  五 音声中心主義の彼岸  六 エピローグーー芝居のあとで 第一〇章 思慮なき体系ーープロイセンの巨艦「フンボルト」、その格納と暴露  一 プロイセン海軍  二 フランス的思考への敵意に燃えた反動  三 フランス艦隊  四 人種主義  五 戦争か家郷か 訳者解説 初出一覧 フンボルト著作一覧 文献表 人名索引 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ※主な翻訳担当の章 村井 1,9章 齋藤 9,10章 伊藤 序文,2,3,5章 梅田 6,7章 辻  4,8章 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

本棚に登録&レビュー

みんなの評価(0

--

読みたい

0

未読

0

読書中

0

既読

0

未指定

1

書店員レビュー(0)
書店員レビュー一覧

みんなのレビュー

レビューはありません

Google Play で手に入れよう
Google Play で手に入れよう
キーワードは1文字以上で検索してください