東大連続講義 歴史学の思考法
東京大学教養学部歴史学部会
2020年4月26日
岩波書店
2,200円(税込)
人文・思想・社会
東大生が教養として身につける、社会を生きるための歴史学的思考法。将来歴史学以外のさまざまな道に進むであろう1・2年生に向けて、実際に行われている「大学で学ぶ、最初で最後の歴史学」オムニバス講義。歴史学そのものというより、「歴史学的なものの見方・考え方」を身につけてもらうための全12回。他大学の学生はもちろんのこと、歴史好きの方、ちょっと背伸びをしたい高校生、そして現代を生きるビジネスパーソンにもおすすめの、教養としての歴史学。
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居ながらにして東大の連続講義が本で読める贅沢
東京大学の教養学部前期課程(1・2年生)の歴史学のテキストとして編纂されたテキストである。 いわゆる専門科目としてではなく、教養科目としての歴史学であるが、歴史を専行とする史学科の入門書としても十分通用する内容となっている。 12章にて構成される連続講義の内容は実に豊か。 「歴史学とは何か」といういわゆる史学概論の内容はもちろん、地域史の視点、社会史の視点、文化史の視点から論じられる歴史学の姿はまさに豊穣である。 章によっては難しいものもあるが、専門家または専門家を目指すひとを想定していない…あくまでも歴史に興味を持っているひとを読者の中心に据えているので読みやすい。 そこから学べるのは「教養」と銘打ちつつも実際は「実利(例えばビジネスマンとしてのなど)」を念頭に置いた歴史ではない。 偉人の成功例または失敗例というケーススタディから現代に使えそうな事例を引き出すような歴史に対する活用法でもない。 現代に連なる過去の史実を知ることの意味だけではなく、歴史学という学問が持っている多角的な視点を学ぶことで養われる歴史学的な思考法…真の意味での「教養」を磨くものである。 各章毎に設けられた参考文献リストと推薦図書のリストが、もっと深く学びたいという意欲に応えてくれる(このリストがまた実によい)。 東大の赤門をくぐらなくとも、居ながらにして好きな場所で素晴らしい連続講義を堪能できる贅沢よ。 豊穣な歴史学の世界をお楽しみあれ。
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