
姉と弟 捏造の闇「袴田事件」の58年
藤原 聡
2024年11月8日
岩波書店
2,200円(税込)
人文・思想・社会
「死刑囚」のくびきを外し、袴田巖が真の自由の身になる時がきた。「捏造」が疑われる警察の動き、死刑判決を下し、支持した歴代裁判所の判断、弁護活動の瑕疵……。寡黙な元ボクサーを精神の破綻に追い込んだ責任はどこにあるのか。献身的に支え続けた姉ひで子と弟の人生を重ね合わせながら、世紀の冤罪事件の全貌に迫る。 はじめに 第一章 事 件 「凶器は売っていない」 浜名湖畔での日々 プロボクサーを故障で引退 一家四人殺害の現場 事件の渦中へ 第二章 拷 問 「袴田しかない」 過熱する報道 理不尽な逮捕 奇妙な遺失物 過酷な取り調べ、手薄な弁護 意識もうろうで「自白」 不審な郵便物に焼けた紙幣 「拷問王」と四件の冤罪事件 第三章 捏 造 みそタンクから「五点の衣類」 主張を変更する検察 緑のブリーフは兄のもとに 元巡査I氏の証言 第四章 死 刑 「無罪の心証」で極刑に 二対一で死刑、三九年後に明かされた合議内容 母親の死と姉の覚悟 控訴趣意書で捏造指摘 東京高裁、はけないズボンで死刑支持 最後の望みを託す 上席調査官の予断と偏見 第五章 喪 心 独居房の弟思い、酒浸りに 引き離された幼い息子 裏木戸からの脱出は不可能 むしばまれる心 第一次再審請求の終結までに二七年 森山法相「常軌逸し始めた」 第六章 釈 放 ボクシング界が支援活動 熊本元裁判官の告白と苦悩 みそ漬け実験結果を新証拠に 取り調べ録音テープを開示 元同僚「一緒に消火活動していた」 死刑停止、四八年ぶりの釈放 戻った自由な時間、検察は抗告 第七章 帰 郷 名誉チャンピオンベルトを手に 六〇歳からマンション一棟建設 五点の衣類のネガ「発見」 散歩に付き添う「見守り隊」 強引に開始決定を取り消した東京高裁 熊本元裁判官との対面 血痕の色めぐり激しい応酬 再審開始決定に喜びの声 第八章 無 罪 検察、特別抗告を断念 釈放を決めた村山元裁判長と対面 再審初公判、「裁かれるべきは司法制度だ」 弁護団長の西嶋勝彦さん死去 袴田さん八八歳、ひで子さん九一歳 再審法改正を求める超党派議連設立 検察側証人も「血痕に赤み残らない」 「弟を人間らしく過ごさせて」 本人不在の法廷で無罪判決 おわりに 関連年表 参考文献
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