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(無題)
再読した。 これは小説でありながらポエティックであり、翻訳もさぞ難しかっただろうなと思われる。 ポエティックな部分は視覚的でもあり、長年の読書歴からくる自分の直感や感性に頼り、考え込んではいけない。 が、しっかり小説にはなっている。 ジャン=ジャック・ルソーを、そして「新エロイーズ」のジュリー.ヴォルマールの名前をここで目にするとは思わなかった。初読も大変感動したけれど、その時私はルソーなど読んではいなかったしその辺りはスルーしていたわけで、いかにストーリーだけを追っていたかがわかる(今もそうであるが...) オネーギンについては初読と感想は同じである。 タチアナ嬢は「戦争と平和」のチャラさを無くしたナターシャである。ロシア的であり、ロシアの大地に根ざしたブレない私の理想の女性でもある。オネーギンは本質の彼女の素晴らしさを理解してはいない。 この小説はロシア文学の例に漏れずロシアvsヨーロッパの二項対立があり、オネーギンはヨーロッパ側の香りのする男である。大体はそのパターンでいくとドストエフスキーのスタヴローギンなどと同じで生温かい知性に覆われているが歳若き親友さえも決闘で撃ち殺す冷酷で堕落した男であるだろう。 昔はオネーギンをそんな風に読んでいた。今も大筋の感想は変わらない。 が、抒情詩のように読むとその愚かしい愛に悲劇の美しさがあると気づく。恐らくラストは読者に委ねられて終わっているが、銃口を自分に向けるのではないだろうか。 決闘ーこれで作者プーシキンは亡くなったそうである。そういった合理的な理性などを凌駕した血の香りに、男も(そして女も)多少魅了されるところが人の業なのかもしれない。 そしてだからこそオネーギンはただの愚かな男の話ではなく、 悲劇で覆われた美しい文芸なのである。
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