マイケル・K
岩波文庫
J.M.クッツェー / くぼたのぞみ
2015年4月30日
岩波書店
924円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
土のように優しくなりさえすればいいー内戦の続く南アフリカ、マイケルは手押し車に病気の母親を乗せて、騒乱のケープタウンから内陸の農場をめざす。ひそかに大地を耕し、カボチャを育てて隠れ住み、収容されたキャンプからも逃亡。国家の運命に翻弄されながら、どこまでも自由に生きようとする個人のすがたを描く、ノーベル賞作家の代表傑作。
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Tojo Hiroyuki
読むべし
自由。時間。命。 そんな概念をひとりの男を描くことで突きつける。 わたしは世界の本当の姿を見ていたのだろうか。 捻じ曲がった世界に囚われているのではないだろうか。 「自分がゆっくりと消滅する過程に包まれているとはいえ、わたしが生きている生よりも、はるかに濃密な死のなかで生きている」文中より その対比として国家機構の無慈悲な機械的な存在、規律。 土を思い、土を感じながら読むといい。 garden
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