国家 下

岩波文庫 青601-8

プラトン / 藤澤 令夫

1979年6月18日

岩波書店

1,540円(税込)

人文・思想・社会 / 文庫

ソクラテスの口を通じて語られた理想国における哲人統治の主張にひきつづき対話は更に展開する。では、その任に当る哲学者は何を学ぶべきか。この問いに対して善のイデアとそこに至る哲学的認識の在り方があの名高い「太陽」「線分」「洞窟」の比喩によって説かれ、終極のところ正義こそが人間を幸福にするのだと結論される。

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Eugene

プラトン雑感

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4.3 2020年07月28日

実は、今、病院のベッド上に居る。 大した事のない、慢性のもので、昨日の入院から5日後に退院予定。手術は、今日。これを書いている間に、手術の準備をさせられる事になるやもしれぬ。 そうなったら、明後日あたりから書き足そう。 カール・ポパー(1902~1994❭と言う哲学者が、つい最近まで存命していた。 ヨーロッパ諸学、とりわけ哲学の底流、そして基礎、と言われるプラトンの、特に、この「国家」にある’全体主義’・’国家主義’擁護の要素、を非難した。 ヒトラー・ムソリーニ・スターリンetc.の所謂、独裁者が動き回り、WWⅡ後もその一定の勢力は変わらない。 その時代、ポパーは、行動・言動の自由を担保する民主主義を奉じた。 ※カール・ポパー「開かれた社会とその敵」Ⅰ 、Ⅱ ・・・当webの僕のサイトでも、載せてある。 プラトンは、ヘレニズムを経ても、地中海世界を中心として拡がり、一時の沈滞期を除き、キリスト教世界でも次第に受け入れられ、「12世紀ルネッサンス」と呼ばれるプレ古典復興期に、イベリア半島をはじめとしたイスラム圏で保護された文献・資料をラテン語に引き写し、また古典ギリシャ文献を入手し、この時期の積み重ねを基礎として、程なくルネサンス期に花開く。 プラトンを中心に影響を受けた現実政治家として、’神聖ローマ帝国 フリードリヒⅡ世’が、12世紀期に登場し、やがてマキャベリ思想に結実し、16~17世紀の[絶対君主制]に辿り着く。 この書に主張されている「優秀者独裁」を理念として現実化されたものだ。 さて、「国家」でのプラトンの主張は、「哲人王」→「優秀者独裁」の項では、 政体を 優秀者独裁制 ↓ 寡頭制 ↓ 民主制 ↓ 僭主独裁制 と、彼の考えの順番に区分けした。 プラトンは、僭主制を最悪とし、えてして僭主制に陥り易い、と言う意味での民主制の忌避。 全くの民主制攻撃ではない。 最高の政体は、上記、「優秀者独裁」制。 ※佐々木 毅 「プラトンの呪縛」 こちらも当サイトにピックアップしてあるが、上記、ポパーも含め、当書に詳しい。 Eugene

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