倫理学(4)

岩波文庫

和辻哲郎

2007年4月30日

岩波書店

1,100円(税込)

人文・思想・社会 / 文庫

和辻哲郎の大著、初の文庫化。1937年に上巻、42年に中巻、戦後49年に下巻を刊行、その壮大な体系は戦前から戦後へやむことなく発展を続けた。人と人との間柄に着目し、人間存在の基本構造、共同体論、歴史哲学へと向かうオリジナルな探究は、そのまま日本近代の哲学的思考の到達点である。全巻に詳細な注・解説を付す。全4冊完結。

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Readeeユーザー

全体性の倫理学

-- 2021年09月28日

和辻において、倫理は超越的なものに基礎づけられた個人個人が、それに従って行うもの、といった形ではない。むしろ解釈学を援用しつつ、「間柄」が実現されていることが倫理であるとする。どのように「間柄」が実現されるかは空間的・時間的に異なってくるものの、個々人はその実現のために「間柄」に続いて出てくるものにすぎない。全体としての「間柄」が先行するのである。この全体的なるものは色々な社会組織が当てはまりうるが、ではそれが国家だったとき、ただ国家に従うのが倫理なのか。逆に言えば国家の統治はことごとく倫理的なのか。暴力的な国家に立ち向かう根拠となる倫理の存在論的根拠はないのか。和辻倫理学はこうした疑問を読者にもたらすものである。

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