人間の学としての倫理学

岩波文庫 青144-13

和辻 哲郎

2007年6月15日

岩波書店

924円(税込)

人文・思想・社会 / 文庫

「倫」はなかま、「理」はことわり、すなわち「倫理」とは、人間共同態の存在根底としての秩序である。主著『倫理学』の方法論的序説とされる本書で和辻は、アリストテレスからマルクスにいたる西洋哲学の人間観と方法を十分に咀嚼した上で、人倫の体系としての倫理学という独自の筋みちを提示。日本倫理学に革新をもたらした。

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(無題)

starstarstarstar 4.0 2022年02月08日

Readeeユーザー

全体性の倫理学

-- 2021年09月28日

和辻において、倫理は超越的なものに基礎づけられた個人個人が、それに従って行うもの、といった形ではない。むしろ解釈学を援用しつつ、「間柄」が実現されていることが倫理であるとする。どのように「間柄」が実現されるかは空間的・時間的に異なってくるものの、個々人はその実現のために「間柄」に続いて出てくるものにすぎない。全体としての「間柄」が先行するのである。この全体的なるものは色々な社会組織が当てはまりうるが、ではそれが国家だったとき、ただ国家に従うのが倫理なのか。逆に言えば国家の統治はことごとく倫理的なのか。暴力的な国家に立ち向かう根拠となる倫理の存在論的根拠はないのか。和辻倫理学はこうした疑問を読者にもたらすものである。

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