日本中世の非農業民と天皇(下)

岩波文庫 青N402-3

網野 善彦

2024年3月19日

岩波書店

1,430円(税込)

人文・思想・社会 / 文庫

海民や鵜飼・桂女、鋳物師ら、天皇とつながることで特権を保証される一方、後に賤視の対象ともなった非農業民たち。彼らの存在実態を通じて人間の本源的自由を問い、さらに南北朝動乱を画期とする「民族史的次元」の変質を見すえるところから、日本社会の構造と特質を明らかにする、著者の代表的著作。(解説=高橋典幸)  凡 例 第二部 海民と鵜飼──非農業民の存在形態(上)[承前]  第三章 近江の海民   序   一 神社と簗漁業について──『近江国野洲川簗漁業史資料』をめぐって   二 堅田とその湖上特権について──『江州堅田漁業史料』をめぐって  第四章 宇治川の網代   一 古代の網代   二 真木島村君と供祭人   三 楽人狛氏と真木島長者  第五章 常陸・下総の海民   一 中世の霞ケ浦・北浦   二 霞ケ浦四十八津と「御留川」  第六章 鵜飼と桂女   序   一 諸国の鵜飼とその存在形態   二 桂御厨と桂供御人   三 桂女   結 第三部 鋳物師──非農業民の存在形態(下)  第一章 中世初期の存在形態   序   一 燈炉供御人の成立   二 東大寺鋳物師の成立   三 燈炉供御人の実態   結  第二章 中世中期の存在形態   序   一 惣官中原光氏と左方作手の発展   二 供御人組織の矛盾とその展開   三 供御人組織の変質   結  第三章 偽文書の成立と効用   序   一 職人の偽文書   二 鋳物師の偽文書と真継久直   三 偽文書と由緒書   結  付論4 豊田武の「鋳物師の有する偽文書について」 終 章  1 「職人」について  付論5 「外財」について   序   一 中世後期以降の「ゲザイ」   二 中世前期における用例   三 「外財」の語義   結  2 「社会構成史的次元」と「民族史的次元」について  あとがき  収録及び関係論文  校 注  解説(高橋典幸)  事項索引  地名索引

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