
読書論
岩波新書
小泉 信三
1950年10月25日
岩波書店
836円(税込)
新書
緒言 第一章 何を読むべきか──古典について── 或る程度多読の要 古典を憚るな 読書の利益 鷗外の「ヰタ・セクスアリス」中の一節 「福翁自伝」中の一節 つとめて大著を読め 読書家の顔 第二章 如何に読むべきか 難解の書に屈託するな ともかくも読み進め 名著と名苑 名著と名曲 再読三読の要 第三章 語学力について 語学力を養う必要 それを養う方法 「蘭学事始」の前例 外国書味読の困難 筆写と素読 第四章 飜訳について 名著の飜訳と名画の模写 鷗外の飜訳論 細心と放胆との必要 「エミリヤ・ガロッティ」の例 第五章 書き入れ及び読書覚え書き ミルの「功利主義」に対する福沢諭吉の書き入れ 漱石の書き入れと短評 鷗外と梗概 ヴァイニング夫人の「小恍惚」 第六章 読書と観察 名を知って物を知らぬ片羽 アルフレッド・マーシャルの観察力 ゲーテのイタリヤ紀行 福沢の「西洋事情」 同じく「旧藩情」 如何に読むべきか 第七章 読書と思索 読書と思索、受動と能動 ショーペンハウアーの警告 ファウストとワグナー 我らの内なるワグナー 漱石と鷗外 「私の個人主義」 第八章 文章論 福沢、鷗外、漱石の文章論 福沢の「文字之教」の嘲罵 マルクシストの難文癖 マルクスの文章論 劉知幾の「史通」 フランツ・オッペンハイマー 推敲の大切なること 第九章 書斎及び蔵書 書斎についての理想 明窓浄机 広さ、色調、椅子その他 書斎の記憶 ファウストの月に対する独語 書籍の購入と厳選の必要 書評の厳正 タイムス文芸附録の実例 第十章 読書の記憶 (一) 父母 太平記 慶応義塾の学風 馬場孤蝶、福田徳三 「三田文学」 水上滝太郎 久保田万太郎 永井荷風 (二) ロンドン留学 大英博物館読書室 クインス・ホールのプロムネード・コンサート 「資本論」 当時の記憶 ベルリン留学 シュニツラー (三) 「戦争と平和」 始めてアメリカの学芸に接す 「国訳漢文大成」 文学に於ける音楽 谷崎潤一郎 志賀直哉 佐藤春夫 引用書目
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