ドキュメント 強権の経済政策
官僚たちのアベノミクス2
岩波新書 新赤版 1833
軽部 謙介
2020年6月22日
岩波書店
946円(税込)
ビジネス・経済・就職 / 新書
「官邸主導」の名の下に実際は誰が、どう動いたのか?2010年代、政策立案の内幕。
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アベノミクスの舞台裏
前著ではアベノミクス誕生前後の内幕を描いたが、本書はそこから4,5年の間にあった政策について前著と同様のスタンスで書いてある。 政策の評価には触れず取材を通じて、どのように政策が決まったかを読者に伝えるのが本書の目的なので、アベノミクス批判本でも礼賛本でもないと思う。平成以降の政治改革で内閣の権限が強化され、政治的パワーが強大な安倍内閣の良くも悪くも強引な政策をどのように評価するかは読者次第。 著者は、自分の記憶では2012年の自民党総裁選挙について、安倍晋三は自民党総裁選挙で金融政策について語った初めての政治家と評価していた気がする。そして、軽部さんも国際標準のマクロ経済運営を理解している日本の数少ないジャーナリストだと記事を読んで感じた。 読後印象に残った所を3つあげるとすると ・アベノミクスの理解を官僚達があまりできてない感じが歯がゆい(量的緩和が雇用や賃金上昇に波及する経路(NAIRUとか)を理解してなさそう)。日本経済の舵取りを彼らに任せてたら、そりゃあデフレになり失われた20年になるわなぁと痛感した。アベノミクスは海外で普通に行われてるマクロ経済政策なのだが… ・キャリア官僚のOBとの繫がりは強いとは聞いていたが、財務省や日銀もすごい。彼らは失われた20年の戦犯なのに(だからというべきか)アベノミクスを痛烈に批判するのが醜悪というか面白いというか。 ・アベノミクスで従来から180度転換した金融政策をすることになった日銀の中で、「中央銀行の魂」を持って仕事をやろうと職員に奮起を促した中曽さんは、意外と重要な存在だったかもしれない。 本書には消費税5→8%に失敗し次回引き上げ時の反省としたいと語る財務官僚が登場する。2019年の8→10%の消費税増税で同じ失敗をしているのはご存知の通り(保育無償化やキャッシュレス還元があるから自分も影響は軽微と考えていたが)。そもそも、日銀の総括検証で消費税増税がデフレに効いてしまった反省はどこに行ったのか。そこらへんをどのように敗戦の弁として語るのか、官僚たちのアベノミクス3で読みたい。
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