法医学者の使命 「人の死を生かす」ために

岩波新書 新赤版 1890

吉田 謙一

2021年8月24日

岩波書店

880円(税込)

美容・暮らし・健康・料理 / 新書

異状死の死因を解剖・検査を通して究明し、法的判断の根拠を提供するのが法医学者の役割だ。その判断はどのように行われるのか。法医学者が死因を誤り、犯罪死を見逃すのはどのような場合か。日本の刑事司法および死因究明制度のどこが問題か。長年第一線で活躍を続け、数々の冤罪事件の鑑定を手がけた法医学者が、これまで経験した事件を取り上げながら訴える。 はじめに 1 なぜ、死因を誤るのか?----死因究明制度の落とし穴  1章 警察官の見落とし(誤認検視)の背景にあるもの  2章 臨床医の判断(検案)が死因究明の出発点ーーーー一酸化炭素(CO)中毒事件を例に 2 突然死はどのように発生し、何をもたらすか  3章 心臓突然死   一 暴行と心臓突然死ーーーー科学的「因果関係」と法的「因果関係」   二 ストレスで人は死ぬか?   三 不整脈による突然死   四 身体拘束による突然死   五 過労死   六 圧受容体反射と迷走神経反射、神経調節性失神  4章 その他の予期しない死、突然死   一 溺死   二 アナフィラキシーショック   三 肺塞栓症   四 脂肪塞栓症候群   五 電解質異常 3 医療事故と刑事裁判  5章 医療裁判における「因果関係」  6章 医療事故調査制度を考える   一 都立広尾病院事件が火をつけた「異状死論争」   二 司法解剖事例をふり返る 4 どうすれば、冤罪を防止できるか  7章 医療版

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