
職業としての官僚
岩波新書 新赤版 1927
嶋田 博子
2022年5月24日
岩波書店
1,034円(税込)
人文・思想・社会 / 新書
旧態依然のイメージで語られ続ける霞が関官僚の職業実態を示し、職業としての官僚が国民や政治に対し担うべき役割、現状をあるべき官僚像に近づける方途を、政官関係の歴史的変遷、各国比較などを交えながら考える。メディアでのバッシングや政治主導の掛け声だけに満足せず、我が事として官僚を見つめる必要を説く。 はじめに 第1章 日本の官僚の実像ーーどこが昭和末期から変化したのか 1 職業の外面的事情 2 仕事の内容 3 各省当局の工夫 4 小括ーー合理性や官民均衡が強まった半面、政治的応答は聖域化 第2章 平成期公務員制度改革ーー何が変化をもたらしたのか 1 近代官僚制の創設から昭和末期まで 2 改革を考える枠組み 3 時系列でみる改革 4 平成期改革の帰結 5 小括ーー改革項目のつまみ食いによって、官僚が「家臣」に回帰 第3章 英米独仏4か国からの示唆ーー日本はどこが違うのか 1 4か国の官僚の実像 2 4か国の政官関係 〈コラム1〉国際機関人事 〈コラム2〉規範にはならない「専門性」 3 近年の変化 4 小括ーー日本の特徴は、1政治的応答の突出、2無定量な働き方、3人事一任慣行 第4章 官僚論から現代への示唆ーーどうすれば理念に近づけるのか 1 官僚制改善に向けた手がかり 2 感情を排した執行か、思考停止の回避か(ドイツ) 3 政治の遮断か、専門家の自律か、それとも政治への従属か(米国) 4 企業経営型改革か、国家固有の現代化か 5 「民主的統制」への新たな視点 6 小括ーー「あるべき官僚」を実現させるには、自分ごとでとらえる必要 結びーー天職としての官僚 あとがき 参考文献 年表(公務員制度に関する主な変化)
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書痴夢
勉強になるが、それ以上に熱い
官僚についての概観を、実際に官僚だった研究者が書いた本。公務員制度の変遷、各国との比較が結構面白い。 変遷では、政治主導になっていく過程が面白い。しかも、それは必ずしも良いとも言えない(悪いだけとは言えない)、官僚制はかなりの部分、理念がどうあるかということが肝になることが分かる。 また、各国比較だが、基本、日本以外ではポストには自分で応募するのが基本であると知り、これはつくづく文化の違いだなと思った。 そして、何より熱い。 本文最後に、官僚もただの人間であり、無制限の仕事が出来るわけではないこと(当たり前)、政策に唯一の最善などそうそうないこと、国民もまた無闇に官僚を叩くのではなく、彼らもまた一人の人間であると認識して、真摯な姿勢には真摯に支援することを最後に説いている。 どれも当たり前なはずだけれど実現は難しく、しかし民主主義社会にとってとても大切なことであると思うが、その言葉は官僚をしていたからこその心からの言葉だと思われ、結構感動してしまった。 色々と理解できない部分もあったとは思うのだが、その熱さで星が5になった。
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