増補 昭和天皇の戦争

「昭和天皇実録」に残されたこと・消されたこと

岩波現代文庫 学術469

山田 朗

2023年9月20日

岩波書店

1,837円(税込)

人文・思想・社会 / 文庫

「聖断」によって日本を救った平和主義者ーー多くの人が抱く昭和天皇のイメージは真実だろうか。昭和天皇研究の第一人者が「昭和天皇実録」を読み解き、「大元帥」として陸海軍を統帥した天皇の実像を明らかにする。「昭和天皇拝謁記」や「百武三郎日記」などの新資料もあわせ検証した補章を付す。(解説=古川隆久)  はじめにーー「昭和天皇実録」に残されたこと・消されたこと 第1部 大元帥としての天皇ーー軍事から見た「昭和天皇実録」の特徴  第一章 国務と統帥の統合者としての昭和天皇   1 国策決定のための御前会議   2 軍事戦略決定のための大本営会議   3 戦況奏上の様相  第二章 軍事と政治・儀式のはざま   1 天皇と観兵式   2 天皇と陸軍特別大演習   3 天皇と海軍特別大演習 第2部 昭和天皇の戦争ーー即位から敗戦まで  第三章 軍部独走への批判から容認へーー満洲事変期(一九二六〜三六年)   1 張作霖爆殺と田中義一内閣総辞職   2 満洲事変と国際連盟脱退   3 二・二六事件  第四章 戦争指導・作戦指導の確立ーー日中戦争期(一九三七〜四〇年)   1 日中全面戦争の始まりと御前会議開催論   2 軍部人事への天皇の介入   3 日中戦争泥沼化への対応ーー張鼓峰事件と宜昌作戦  第五章 アジアとの戦争/欧米との戦争ーー南進と開戦(一九四〇〜四二年)   1 武力南進路線   2 対英米戦への躊躇   3 対英米開戦論への傾斜   4 緒戦の勝利  第六章 悪化する戦況と「国体護持」--戦争指導と敗戦(一九四二〜四五年)   1 昭和天皇の戦争指導1 ガダルカナル攻防戦   2 昭和天皇の戦争指導2 天皇の決戦要求   3 戦況の悪化ーー天皇と軍事情報   4 「終戦」の「聖断」  おわりに 補 章 公開新資料から見た昭和天皇の戦争   1 『百武三郎日記』から見た昭和天皇の戦争   2 『坪島文雄日記』から見た昭和天皇の戦争   3 田島道治『拝掲記』から見た昭和天皇の戦争  注  参考文献一覧  岩波現代文庫版あとがき  解  説………古川隆久

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