春に散る 下

沢木耕太郎

2016年12月31日

朝日新聞出版

1,760円(税込)

小説・エッセイ

男たちのもとへ現れた若きボクサー。才能あふれる彼に、いったい何を手渡してやれるだろう?叶わなかった夢の続きを、おまえに託す。人生の終盤にたどり着く「幸せ」のかたちを問う感動巨編!

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3.8 2018年04月08日

下巻に至って物語は大きく展開する。そして、読者はワクワク感にかられ、小説に没入を迫られる。何しろ老人ホームがボクシングジムになってしまい、霊感女性まで登場する奇想天外振りはハンパない。 著者によれば、ボクサーは自由を求めてリングに立つ。そして彼がリング上で見るのは世界から見捨てられた孤独の風景である。しかも彼が自由を手中にできるのは、恐怖に打ち勝って対戦相手をリングに沈めた時のみだ。正に人生と同じ図式だ。ここに登場する年老いた元ボクサー達は、皆チャンプに成らなかった。だから真の自由を獲得できなかった男達だ。それ故に全員が憂いを抱えているのだ。 人は老齢期を迎えて、残された人生をどう考えるのだろうか。勿論人様々であろう。「チャンプの家」で共同生活を始めた広岡たちのケースは、偶然与えられた夢の実現に希望を見出すのだった。若きボクサー・翔吾の登場と、指導者として蘇った4人であった。共に世界チャンピオンを目指すなかで、暗い過去や悔いを精算しながら、老人たちが新しい生きがいに命を燃焼する物語である。 ねかはくは 花のしたにて 春しなん そのきさらきの もちつきのころ  広岡は桜が散り行かんとする季節に桜の下で死んだ。その時彼の心を満たしていたのは幸福感であった。青春を共にした老人3人と若い翔吾と佳奈子、広岡は彼らとの交流の中で自分の存在を確かなものとしていた。

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