国宝 下

花道篇

吉田修一

2018年9月7日

朝日新聞出版

1,650円(税込)

小説・エッセイ

鳴りやまぬ拍手と眩しいほどの光、人生の境地がここにある。芝居だけに生きてきた男たち。その命を賭してなお、見果てぬ夢を追い求めていく。今年最高の感動を届ける役者一門の大河小説。

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ひさだかおり

書店員@精文館書店中島新町店

(無題)

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2020年01月16日

みんなのレビュー (4)

Readeeユーザー

さすがは20周年!!

starstarstarstarstar 5.0 2018年11月12日

歌舞伎女形、任侠出身の喜久雄と、名門花井家の御曹司、俊介。二人の絆と、歌舞伎にかける情熱が、これでもかこれでもかと私の胸を打って止まらなかった。ずっと、ずっと、舞台の上に立っていたい、ずっと幕を下ろさないでほしい。その一心で突き進んでいく喜久雄の狂気が女形の色気と艶やかさに変わる。周りをすべて置き去りにして、花井半次郎(喜久雄)は進んでいく。ラスト、人間国宝に認定された喜久雄だけど、阿古屋の舞台上から外に飛び出して、狂気のもと、道路で舞う。なんと、恐ろしい、でもなんと、峻厳なラストなんだ。 ですからどうぞ、声をかけてやってくださいまし。ですからどうぞ、照らしてやってくださいまし。ですからどうぞ、拍手を送ってくださいまし。日本一の女形、花井半次郎は、今ここに立っているのでございます。このラスト、しびれたー

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Readeeユーザー

2019年11月

starstarstarstar 4.0 2019年11月10日

読みごたえあったー!喜久雄という男の半生をまるでずっと見守ってきたかのような感覚。猛烈に歌舞伎が見たくなった。

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Readeeユーザー

さすがは20周年!!

starstarstarstarstar 5.0 2023年05月14日

歌舞伎女形、任侠出身の喜久雄と、名門花井家の御曹司、俊介。二人の絆と、歌舞伎にかける情熱が、これでもかこれでもかと私の胸を打って止まらなかった。ずっと、ずっと、舞台の上に立っていたい、ずっと幕を下ろさないでほしい。その一心で突き進んでいく喜久雄の狂気が女形の色気と艶やかさに変わる。周りをすべて置き去りにして、花井半次郎(喜久雄)は進んでいく。ラスト、人間国宝に認定された喜久雄だけど、阿古屋の舞台上から外に飛び出して、狂気のもと、道路で舞う。なんと、恐ろしい、でもなんと、峻厳なラストなんだ。 ですからどうぞ、声をかけてやってくださいまし。ですからどうぞ、照らしてやってくださいまし。ですからどうぞ、拍手を送ってくださいまし。日本一の女形、花井半次郎は、今ここに立っているのでございます。このラスト、しびれたー

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Readeeユーザー

(無題)

-- 2021年12月02日

国宝とは、建造物、美術工芸品、考古資料、歴史資料などについて歴史的、芸術的あるいは学術的な価値が高いものに対して国が指定したものを言う。一方、歴史的、芸術的な価値があるものの、音楽などの文化や工芸技術のように形がないものを無形文化財という。人間国宝とは、この「重要無形文化財」に指定されている「わざ」を高度に体得・体現している人物を指すのである。その世界の第一人者と言い換えても良いだろう。 歌舞伎には幼少からの教育と体得が必要とされる。どんな天才でも、18歳から始めたのでは、6歳から始めた凡才を追い抜くことはできない世界なのだ。喜久雄が歌舞伎の世界に入ったのは15歳。人一倍の努力が求められる。それは、誰よりも本人がいちばん自覚している。喜久雄の芸に対する精進は並大抵ではなかった。はたからみれば狂気スレスレと映った。いや、もう別世界に入っていたのかもしれない。

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