ペッパーズ・ゴースト
伊坂幸太郎
2021年10月1日
朝日新聞出版
1,870円(税込)
小説・エッセイ
中学校の国語教師・檀千郷(だんちさと)は、受け持ちの女子生徒から自作の小説原稿を渡される。その小説の中では、猫を愛する奇妙な二人組・ネコジゴハンターが大暴れしていた。そして檀先生は、ある条件下で他人の明日の体験が少しだけ観えるという、不思議な力を持っていた。ネコジゴハンターとは何か。父の言葉、悲観と楽観、猫と野球……、檀先生が「サークル」に関わるにつれ、物語は加速していく。小説を読む楽しさ、面白さに満ちながら、うつむく人を明るい方へとそっと連れ出す、一大エンターテインメント長編!
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書店員レビュー(1)書店員レビュー一覧
みんなのレビュー (6)
(無題)
いや、これまじか。ストーリーとしてはシンプルなものかもしれないけれど、「小説」という形態でしか為しえないトリックやん。 『ホワイトラビット』のときも震えるほどのトリック使ってたけど、 これはこれでまた異次元のクオリティやな。 『ラッシュライフ』に似た、時系列ずらしが施されているけど、 そこに焦点が当たってるわけではないのよね。まずそこがニクい。 んで、「小説の中の登場人物」と思っていた人たちが実在する、とか なぜか独白めいた文体で進行するパートとか、 全部意味がある。 各パートが収束するのは伊坂幸太郎のお家芸だけど、 今回は収束するまでの時間に差がある。 映画『ダンケルク』のように。 5日と5時間と5分を同尺で見せるかのような。 いや、ほんま凄いな。 文体も読みやすいし、構成が神がかり過ぎる。 内容としては大きな驚きがあるわけでは無いが、 「事件が起きたのか起きていないのか」は『モダンタイムス』を想起させるし、 物語をクリフハンガー的に締めるのも、伊坂幸太郎らしさがある。 本当に彼の良いところを集約したような物語であった。
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伊坂感満載!
スラスラ読めました。ニタついてしまう雰囲気は大好きです。オチまで期待してましたが、オチは読者にお任せでした。
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