直訴と王権
朝鮮・日本の「一君万民」思想史
原武史
1996年4月5日
朝日新聞出版
2,669円(税込)
人文・思想・社会
佐倉宗吾以来、日本の「直訴」は命を賭ける非常手段だった。隣国、朝鮮の王たちは、城を出て各地を巡り、生活の不安や不満を王に訴える、文字も知らない奴婢たちの声をじかに受け止めた。これこそ儒教の徳の体現、と王たちは考えた。王政復古の過程で確立された日本固有の「一君万民」思想-「君主」と「民」の一本軸の関係は、儒教の継承者・朝鮮王朝にこそ見いだされる。「一君万民」思想の変遷を、一八世紀の李氏朝鮮の時代から、抗日期まで描く。
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