創価学会と平和主義
朝日新書
佐藤優
2014年10月10日
朝日新聞出版
836円(税込)
人文・思想・社会 / 新書
公明党が賛成した集団的自衛権。しかしそれは“名ばかり”のものにすぎない。閣議決定を骨抜きにしたのは、創価学会の平和主義だった。「公明党」「創価学会」と聞いた瞬間、思考停止してしまう人が多いが、目を凝らしてよく見てみよう。はたして、その「平和主義」は本物か?組織の論理と「池田大作」の思想に、知の怪物が迫る。
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創価学会を知るための入門書
創価学会について、知らないのに批判するということは学問的立場からも好きではないので、先ずはどんな組織かを知るために読んでみた。 もともと巷に言う、熱烈な勧誘を経験したことがないため、自分自身、創価学会にそこまでのアレルギーはない。 むしろこの本で書いてあるように、平和主義や人権思想を取り入れた仏教的な見地は、とても評価されるべきものだと思う。 しかし、佐藤優さんは、創価学会というより公明党を少し買い被り過ぎではないかと読んでいて思った。 確かに首都大(現都立大)教授の木村草太さんが言うように公明党の力で集団的自衛権の行使を有名無実化したのは、法的な見地から見てもその通りだと思う。 しかし、自民党、特に安倍政権は、そうした法の形式的ルールを守る人たちかというと、そこは疑問に思わざるを得ない。 モリカケ、桜に伴う公文書改竄・隠蔽、事実の捏造、報道への圧力を考えると、都合の悪いことはルール無視が当たり前でルールは自分たちのためにあるような振る舞いをしている。 そうした法(立憲主義)に対するリスペクトに欠けている権力者が平和安全法制(戦争法制)を自分の都合の良いようにねじ曲げる危険性がないとはどうして言えるのだろうか。 また、公明党自体もこの乱暴狼藉集団に翻弄され、自分たちの理念とは異なるグローバル資本主義的な経済政策を通すための片棒を担いでいないか。 もちろん、軽減税率を入れたことを考えると、公明党の力が無力だとは言えないが、そもそも公明党や創価学会が自民党に選挙協力しなければ、弱い立場の人々が犠牲になる労働者派遣法の改正等々の法案は通らないだろうし、選択的夫婦別姓など多様性を認める法案がもっとたくさん通るはずだ。 自民と連立を組むまでは、公明党は自分たちの主義主張を通すため、政局を読みながら色んなあり方を模索していた。 風見鶏のような行為にも見えるため、公明党は創価学会との関係を当時の自民党から攻撃されたこともあったが、その結果、憲法20条の理論武装も行い、組織としての基盤を作っていったはずだ。 旧民主党は、一概には言えないが野田や前原など新自由主義的な価値観を持つものも多い。 そう考えると中道左派である公明党が本来の自分たちの在り方に立ち返って、政治的なイニシアチブをとってもらいたいさ。中道左派路線が現在多くの人々に必要とされていて、れいわ新選組を除けば、このポジションでイニシアチブを取れるのは公明党しかいないのだから。
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