世界を変えた「海賊」の物語 海賊王ヘンリー・エヴリーとグローバル資本
スティーブン・ジョンソン / 山岡由美
2021年7月20日
朝日新聞出版
2,695円(税込)
人文・思想・社会
現代のグローバル資本主義の誕生について語ろうとすると、「海賊」はもっとも重要な存在のひとつだ。彼らを代表するのが、18世紀のいわゆる「海賊の黄金時代」のロールモデルとなった、最も悪名高い海賊王、ヘンリー・エヴリー。ヨーロッパでは知らない者がいないほど有名で、ある意味で英雄視されてもいる。そして、世界初の株式会社といわれる東インド会社が国家から独立した企業として機能するのに、海賊の存在は無視できなかった。そして、共同体として活動を続けるために、海賊たちは労働者協同組合や保険、憲法などの萌芽ともいえる制度をつくり「船上の民主国」を築いたと言われる。彼らは世界の?秩序“を変える火種をつくったのだ。ユニークな視点で、世界経済の歴史と、現代にもつづく民主的な仕組みの土台についてひもとく一冊。【本書の目次】■第1部 遠征隊1 生い立ち2 テロの行使3 ムガル帝国の台頭4 全人類の敵 5 二種類の富6 スペイン遠征社7 世界の征服者8 足止めされて■第2部 反乱9 飲んだくれ甲板長10 ファンシー号11 海賊の詩12 サー・ジョサイアは売るか、買うか13 西風海流14 ガンジ・サワーイー号15 帰って来たアミティ号16 後続船に頓着なく17 プリンセス■第3部 掠奪18 ファテー・ムハンマディ号19 けたはずれの財宝20 対抗するストーリー21 復讐22 戦場の東インド会社■第4部 追跡23 高飛び24 あからさまな反逆25 推測は何も証明しない26 海上ファウジュダール27 帰郷■第5部 裁判28 海賊国家29 幽霊裁判30 これを証拠と言わずしてなんと言うのか31 処刑ドック##著者略歴スティーブン・ジョンソン Steven JohnsonHow We Got to Now(2014)(『世界をつくった6つの革命の物語─新・人類進化史』2016年)、Wonderland(2016)(『世界を変えた6つの「気晴らし」の物語─新・人類進化史』2017年)、Farsighted(2018)(『世界が動いた「決断」の物語─新・人類進化史』2019年)(以上、日本語版はすべて大田直子訳、朝日新聞出版)、The Ghost Map (2006)(『感染地図─ 歴史を変えた未知の病原体』(矢野真千子訳、河出書房新社、単行本2007年、文庫版2017年)、Where Good Ideas Come From(2010)(『イノベーションのアイデアを生み出す七つの法則』松浦俊輔訳、日経BP社、2013年)、The Invention of Air(2008)、Everything Bad Is Good For You(2005)(以上、原書はすべてRiverhead Books)などベストセラーを多数執筆。また、影響力のあるさまざまなウェブサイトを立ち上げ、PBSとBBCのテレビシリーズHow We Got to Now の共同制作者・司会としても知られる。妻と3 人の息子とともに、カリフォルニア州マリン郡とニューヨーク市ブルックリンで暮らしている。##訳者略歴山岡由美 Yama
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