鹿の王 上

上橋菜穂子

2014年9月24日

KADOKAWA

1,760円(税込)

絵本・児童書・図鑑 / 小説・エッセイ

強大な帝国・東乎瑠にのまれていく故郷を守るため、絶望的な戦いを繰り広げた戦士団“独角”。その頭であったヴァンは奴隷に落とされ、岩塩鉱に囚われていた。ある夜、一群れの不思議な犬たちが岩塩鉱を襲い、謎の病が発生する。その隙に逃げ出したヴァンは幼子を拾い、ユナと名付け、育てるがー!?厳しい世界の中で未曾有の危機に立ち向かう、父と子の物語が、いまはじまるー。

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ひさだかおり

書店員@精文館書店中島新町店

(無題)

--
0
2020年01月16日

みんなのレビュー (1)

とも

(無題)

-- 2018年01月21日

率直に言ってスケールの大きな物語ですね。現実というモデルや歴史上の事実をヒントにせずに、全くの空想だけでこれだけの世界を構築する著者の力量には並々ならぬものがうかがえます。2015年読者大賞受賞作だけの事はあります。 先ずはヴァンの冒険譚に心奪われます。ヴァンは飛鹿を操り、故郷を守るために戦う戦闘集団・独のリーダーでした。さしもの勇猛果敢な戦士・ヴァンも敗れる事もあります。奴隷となったヴァンはアカファ岩塩鉱で過酷な労働に耐える日々を送っていました。そんな鉱山を山犬が襲撃しました。全員が噛まれ、わずかの日数のうちに謎の病気を発症して死んでしまいました。ところがヴァンだけが生き残ったのです。不思議なのはそればかりではありませんでした。杭に繋がれた足の鎖をひきちぎる事ができたのです。とても人間業とは思えませんでした。そしてもう一人、生き残りがいました。まだ言葉も満足に話せない幼子でした。奴隷からの脱出に成功したヴァンは、ユナと名付けた女の子との旅を始めました。病が癒えてからヴァンの身体の中に目に見えない変化が生じていました。聴覚と視覚が異常な程に鋭敏になっていたのでした。そして再び山犬と対峙した時、自分がふたつに分かれたように感じました。それにより山犬を追い払った。それをきっかけに谺主(こだまぬし)から招待を受けました。ヴァンは自分がふたつに分かれる感覚が「裏返し」というものだと知るのでした。 本書にはヴァンの他に、実はもう一人の主人公がいました。東乎瑠帝国の支配階層に絶大の信頼を得る医術師・ホッサルです。大量の死者を出した岩塩鉱調査を依頼されたホッサルは、黒狼熱の可能性を思い浮かべました。また、逃亡したヴァンが噛まれても生きていることに、この病気克服のヒントが隠されているのではないかと憶測するのでした。また、ホッサルは御前鷹ノ儀に参加した時、山犬の襲撃に遭遇し、その後の治療に奔走するところとなりました。ホッサルの案内で謎の病・黒狼熱のあらましが徐々に明らかになっていきます。元々の病素はアカファ王国やその近辺に生息するダニがもっていました。飛鹿、火馬、トナカイなどは生息地に生える地衣類を食べており、それにより体内に黒狼熱への免疫をもっていたのでした。アカファ王国民や各山地民は飛鹿、火馬、トナカイなどの乳製品を普段から口にしており、やはり黒狼熱に免疫をもっていました。また、オタワル王国にはそのダニが生息しておらず、東乎瑠帝国は宗教上の理由で乳製品を口にしないので免疫をもっていなかったのです。

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