犯罪者　下

　もはや終盤戦とも思われた下巻のスタートであったが、ここから反撃が開始される。一時は裏切り者と思われた真崎の意思をついで中迫を仲間にする。ただ道のりは困難で、目的は食品サンプルが感染源であったこと、それを隠すために殺人が行われたこと、そしてそれらが会社首脳部と献金をうけ癒着した政治家の指示によるものであることなどを暴かなければならない。さらにその後に被害を受けた多くの子供達と裁判を戦うという途方もない道のりとなる。すでに最終盤で食品会社の関与を証明しておしまいと思っていたのがちょっと恥ずかしい。 　それでも命がけで最後の作戦に突入。なかなか作戦通りにはいかないが、それでも上手く修正し、タイタスフーズとの関係を暴きサンプルも回収される。中迫は重症を負ったが十分に目的は果たせたと安堵する。後日談に至る残ったページの多さに、後は芋づる式に色々と暴かれておしまいと安心したのだが。何だこの後日談とエピローグは？結局、そこから先は話は進まず、タイタスフーズ幹部や政治家は逃げ切っておしまい。残されたものも何となく頑張って生きていく風な感じで話は終わる。こんなに長い話を読んで、悪事も暴かれたのに、こんなに爽快感無く終了するなんて。個人的には非常に残念な終幕。

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