銀の匙
角川文庫
中勘助
1989年5月31日
角川書店
440円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
土の犬人形、丑紅の牛ー走馬燈のように廻る、子供の頃の思い出。それは、ひっくりえかした宝石箱のように鮮やかに彩られている。誰の記憶の中にでもある“銀の匙”。その永遠なるものを素材にした、永遠の文学を貴方の心に届けます。
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むるそー
(無題)
明治時代の東京の下町を舞台に、病弱な少年の成長していく日常を描いた自伝的作品。 夏目漱石が「きれいだ、描写が細かく、独創がある」と称した、まさにそのままの作品。ほんとうに優しい文体で、少年の心情の表現が細かく為されている。数人の同年代の女子との交流が、章の区切りのような役割を果たしていて、それぞれの対応によって少年の成長が実感できる。近代文学界のほっこり小説。 「お恵ちゃんは誰が自分をいたわってくれるかさえ知らずくやしそうに泣きじゃくりして人のするままになってたが、ようよう涙を止めて だれかしら というように袖のかげから顔を見合わせたときにさもうれしそうににっこり笑った。長いまつ毛がぬれて大きな目が美しく染まっていた。そののち二人の友情は、いま咲くばかり薫をふくんでふくらんでいる牡丹のつぼみがこそぐるほどの蝶の羽風にさえほころびるように、ふたりの友情はやがてうちとけてむつびあうようになった。」 「あわれな人よ。なにかの縁あって地獄の道づれとなったこの人を にいさん と呼ぶように、子供の情景が空をめぐる冷たい石を お星さん と呼ぶのがそんなに悪いことであったろうか。」
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