
過ぎ去りし王国の城(1)
角川文庫
宮部 みゆき
2018年6月15日
KADOKAWA
748円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
中学3年の尾垣真が拾った中世ヨーロッパの古城のデッサン。分身を描き込むと絵の世界に入り込めることを知った真は、同級生で美術部員の珠美に制作を依頼。絵の世界にいたのは、塔に閉じ込められたひとりの少女だった。彼女は誰か。何故この世界は描かれたのか。同じ探索者で大人のパクさんと謎を追う中、3人は10年前に現実の世界で起きた失踪事件が関係していることを知る。現実を生きるあなたに贈る、宮部みゆき渾身の冒険小説!
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【変に子どもらしくない子どもたち】
宮部さんの作品に出てくる子どもはたいてい、子どもらしくない子どもたちです。家庭が複雑だったり、学校でいじめられていたり、達観しすぎていてクラスで浮いていたり、誰にも助けを求めず一人で立ち向かい打ち勝とうとする子どもらしくない子どもたち。 「人生は永いって思ってなきゃ、半日だってやり過ごせない」 それを背負い、そして手助けを求めない、自分の重荷は自分で背負うから、かまわないでくれ、そのかわり、お願いだから、重荷に歪む顔をみないでくれ、と。そういう子どもたちが主人公です。 物語は、中学三年生の男の子が、ある日銀行に用事があり行ってみると、掲示板に子供たちの「じぶんのおうち」絵が張り出されていたのを見つけるところから始まります。一枚だけ名前もない展示の端っこにテープで貼り付けただけの紙切れに描かれた絵があった。そこにはヨーロッパの古城が描かれていた。とても緻密に。見とれていたら銀行で順番が回ってきて、終わった後に見に行くと絵がなくなっていた。良く探すと床に落ちて人に踏まれていたので、なんとなく家に持って帰ってしまった。 その絵は奇想天外な出来事を起こす絵でした。自分のアバターを絵に書き込むと、生きた人間が絵の中の世界に入れる。外からのショックで現実に引き戻されたとき、ひどい空腹と倦怠感、吐き気、体の激痛、などダメージを食らう。絵は人の生気を吸い取り生きている、スーパーナチュラルな絵だった。絵に入ったとき、絵の中に一人の女の子が取り残されているのを見た僕は、その子を助け出そうと思った。どうしたら助けられるのか。いったいその子は誰なのか。何度も絵に入って自分の身は大丈夫なのか。入って戻ってこれなくったら?それでもほおって置けない。僕はあの女の子を助けられるのか。。。絵が苦手な僕は、絵のうまいクラスメイトの女子とプロの漫画家のアシスタントのおじさんに協力してもらいながらその絵を調べることにした。すると、10年前の現実の世界で起きた少女の失踪事件が関係していることがわかり、彼女を助けることは現実を変えてしまうことだと知ってしまう。そこで、彼らの意見は三つに分かれてしまいます。彼らは最終的にはどう動くのでしょうか? あなたならならどうしますか?人それぞれの逃げ方と向き合い方があります。彼らのうちの誰の選択が、あなたにとって共感できるでしょうか。
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