里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く

角川新書

藻谷 浩介 / NHK広島取材班

2013年7月31日

KADOKAWA

859円(税込)

ビジネス・経済・就職 / 新書

課題先進国を救うモデル。その最先端は“里山”にあった!!危機を超え未来を生む、すり潰されない生き方を提言!!

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Readeeユーザー

(無題)

starstarstarstarstar 5.0 2020年10月25日

里山資本主義は、経済的な意味合いでも、「地域」が復権しようとする時代の象徴と言ってもいい。大都市につながれ、吸い取られる象徴としての「地域」と決別し、地域内で完結できるものは完結させようという運動が、里山資本主義なのである。ここで注意すべきなのは、自己完結型の経済だからといって、排他的になることではない点だ。むしろ、「開かれた地域主義」こそ、里山資本主義なのである。(P.102)

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mxa

里山資本主義への期待

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3.6 2020年10月08日

里山資本主義に期待感が強いだけにあえて辛口です。限界集落の活性化は素晴らしいと思いますが、限界集落までの道路、電気通信、上下水などの基本インフラにかかる行政経費の負担を考えると経済的なのかという点と田舎の社交性・集団性には住んでいただけに疑問です。 この本を読んでいると何か脱原発みたいに、言っていることは綺麗でごもっともなのですが、よく考えると技術が追いついてない机上の空論の用に思えました。ただ方向性は間違っていないし、在宅勤務・IT化でもっと行政レベルで議論されていくのではと思いました

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Readeeユーザー

(無題)

starstarstar 3.0 2020年09月09日

この本は第1章~第5章で構成されており、各章はNHK広島取材班の記者が執筆している。染谷氏は中間総括、最終総括の章に登場する。 各章はいわゆる既存の「田舎暮らし」の実践例が紹介されている。各章は個別の記者による執筆の為、結論が似通っている。ざっくり言えば「田舎暮らしは素晴らしい」という結論である。 全体の総括として染谷氏が登場し、資本主義から里山資本主義に一気に移行するのではなく里山資本主義の考え方はマネー依存資本主義下のセーフティーネットとしてトレンドになるという主張である。 ポイントは「一過性の流行り」ではなく、「トレンド」である。この根拠として筆者は三菱総研が調査した安定安全志向・絆思考の「ニューノーマル消費」を挙げている。ニューノーマル消費とは共感・経験・分かち合いに消費価値を置く生活者市場であり、三菱総研はこの消費傾向をトレンドとして結論付けている。 著書の中で具体的には以下の文章に共感した。 ●大事な点は、猛烈に働いている彼は、実はそれほど豊かな暮らしを送っていないということだ。 ●がんばったらがんばった分だけ給料は上がるが、その分自分ですることがさらに減り、支出が増えていく ●「ここ数年、非常に動きが目立ってきています。どの企業でも欲しいような人材が、平気で会社を辞めて地域に入ることがあちこちで起こり始めているんです。立派ないい会社に勤めて、高い給料をいただいているような人が、年収が半分、三分の一になることもいとわず、地域に戻りたい、地域で仕事をしたいと。このなかには、そんな人がたくさんいらっしゃる」 これが新しい生活者市場のトレンド要因である。私の周りにもこのような気持ち、アクションをした人は多く存在する。 しかしながら、こういった動きだけでは里山資本主義は短命であると感じる。田舎は次のフェーズに突入しているのではと思う。単なる田舎暮らしに憧れてやってくる人々だけでなく、田舎で田舎概念を覆す生活をする人々である。つまりこれまで田舎にも都会にも存在しなかった生活スタイルを実践する人々である。 本著はその入り口にはたどり着いているが、そこからの具体例や体系的整理までには至っていない。 個人的には「里山資本主義」という言葉にその部分まで期待していたので少し読み足りなかった。

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Readeeユーザー

(無題)

starstarstarstarstar 5.0 2019年05月24日

里山資本主義は、経済的な意味合いでも、「地域」が復権しようとする時代の象徴と言ってもいい。大都市につながれ、吸い取られる象徴としての「地域」と決別し、地域内で完結できるものは完結させようという運動が、里山資本主義なのである。ここで注意すべきなのは、自己完結型の経済だからといって、排他的になることではない点だ。むしろ、「開かれた地域主義」こそ、里山資本主義なのである。(P.102)

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Readeeユーザー

(無題)

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3.8 2018年01月27日

成長か死か。この二者択一を迫られたユニクロは、生き残りを賭けて世界市場に打って出るのである。しかも先進国市場はもはや飽和状態として、新興市場のバングラデシュで衣料品を売ろうと試みるのであった。これは、先日見たテレビ番組で紹介されてれていたユニクロの世界戦略ですが、私にはクルクルと同じところを回り続けるモルモットを思わせて、気持ちを萎えさせる番組でした。経済活動の前線から退いてからは、我が国の政治経済の指導者の考え方にはしっくりこないような、このままでは、日本はいいようにアメリカの餌食にされてしまうように感じています。今こそ、新たな指導原理に基づく国づくりを始めるべきだと思っている時に本書に巡り会い、我が意を得た思いです。 書名ともなっている里山資本主義は、藻谷浩介とNHK広島取材班の造語で、里山のような身近なところから、水や食料、燃料を手に入れ続けられるネットワークを用意しておこうという考え方です。本書では、中国山地を中心に実例を挙げ、食料の地産地消や木材の燃料利用、特産品販売など地元資源の活用によって、あまり金をかけずに豊かに暮らせ、過疎地には大きな可能性があると論じています。さらに本書では「人間社会の営みのうち、金銭に換算される部分はごく一部」であるとの基本認識に立っていて、お裾分けされた食材を家族でおいしく食べる暮らしは、GDPへの寄与度が低いが、常に高級レストランに行く生活よりも人間として楽しいはずである、と述べます。「そのためにも里山はうってつけで、人口の重心がもう少し里山に移ってもいいのではないか」と提案します。 このことは「資本主義を否定し、自給自足的な暮らしに戻れという主張ではない」としつつ、「改めて見直すと、21世紀は里山資本主義の時代」と強調するのです。日本は、そのシステムを濃厚に残しているありがたい国ですので「普通に真面目で、普通に根気のある人が、普通に手を抜きながら生きていける社会が、里山にはある。里山の暮らし方は世界に通用する。里山を見に行ってほしい」といいます。 こんな考え方を国づくりの基本戦略として成功している実例としてオーストリアを取り上げています。我が国同様に山間部の森林が多いオーストリアのチロル地方、どの家にも、軒先には薪が積み上がり、料理も暖房も薪を使って火を起こす、今も昔も変わらぬ村の暮らしが続いているのだと感心していると、意外な事に、こうした暮らしを再発見したのはほんの数年前だそうです。オーストリアでも10年前までは、ガスや石油が主力のエネルギーでした。日本と同じく地下資源に乏しいオーストリア、原油を中東諸国に天然ガスをロシアからのパイプラインによる供給に依存してきました。そのため国際情勢が不安定化するたびに、エネルギー危機に見舞われたのでした。元栓を外国に握られる恐怖を身に染みて知っていたのです。このため、安全保障と地域経済の自立をもたらすものとして、森林資源の活用に舵をきったのでした。しかも、その利用は一年間に成長する森林の量以内に限っているので、資源の枯渇はあり得ず、持続可能なのです。 こうして、オーストリアは失業率がEU加盟国中最低の4.2パーセント、一人当たりの名目GDPは49,688ドルで世界11位と経済指標をとって見ても高いパフォーマンスを示しているのです。

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