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(無題)
先日「気功講座」を受講して実感した事があった。「気」を実感できたのであれば講座の主旨に照らして万々歳であるが、私の場合は約2時間講師の指導のままに身体を動かした結果、身体の底から深いリラックスを得ることができたのである。この時、副交感神経が優位に立つということは、このことであるとの実感を得た。それとともに、生活の中でこのような思いを持てる機会の必要性を感じたものだった。そうは言っても、素人が独自に気功をできるわけもなく、取り敢えず「練功18法 前・後段」を再開した。 自律神経は自分の意思ではコントロールできないものだが、自律神経研究の第一人者である著者は自律神経を自分の意思でコントロールする方法を見出したという。自律神経を自分の意思で動かすことはできなくても、自分の意思で何かをすることで自律神経のバランスを整えるのだ。それが「あきらめる」事だ。それは決してギブアップではなく、その状況を「明らめ」て受け入れる気持ちになる事だ。「あきらめる」と崩れていた交感神経と副交感神経のバランスが戻るのだ。これが生きる知恵や人生訓といったレベルの話ではなく、自律神経を科学的に研究した結果として現役の医学部教授の手になるだけに面白い。 次に自律神経が人体で果たす役割に触れておきたい。血液循環、呼吸、消化吸収、排泄、免疫、代謝、内分泌などはすべて恒常性を維持するためのシステムで、そのすべてに自律神経が深く関わっている。 つまり私たちの身体は、自律神経無しには維持できないのだ。その自律神経にとって最も大切なのが、交感神経と副交感神経とのバランスである。バランスは副交感神経のレベルが上下することによって取られている。ところが、副交感神経は男は30歳、女は40歳を境に急激に低下するのだという。だから、普段下がっている副交感神経のレベルを上げてやる必要がある。その方法として「あきらめる」のが有効だというのだ。では、あきらめるとなぜ副交感神経のレベルが高まるのか、それは安堵感が深い呼吸をもたらすからだそうだ。つまり、副交感神経を高める直接的方法は、鼻から息を吸い、その倍の時間をかけて口をすぼめて吐く呼吸法を著者は勧める。これは気功やヨガの呼吸法と一致する。
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