南国回天記
角川文庫
海音寺潮五郎
1990年6月30日
角川書店
416円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
お侠な大阪芸者お葭は、曾我どんの傘焼きの夜、樺山小一郎の弾く勁烈な薩摩琵琶の音に魅せられてしまった。黒船来航以来、南国の雄藩薩摩の若ものたちのあいだにも時代への焦慮がみなぎっていた。主君島津斉彬悩みを軽くせんと、小一郎は、ひとり江戸へと旅立った。自分の恋心に気づいたお葭も江戸へ。が、奸臣誅殺の失敗を恥じた小一郎は、行方をたってしまった。お葭は、小一郎の汚名をはらすための情報を得て、必死にそに行方をさぐるのであった。探索に西郷や大久保らも協力するが、刻々と貴重な時がすぎてゆく…。維新前夜の激流のなかで,懸命に前途をひらこうとする若いふたりと島津斉彬を中心に、かたく結ばれた薩摩の青春群像を描く傑作長編。
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