風の岬(上)

角川文庫

渡辺淳一

1987年10月31日

角川書店

462円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

野々宮敬介は去年の3月、大学を卒業して、国家試験を受けたばかり、医局では1年生のペいペいである。外科の医局に入って手術に立ち会ったとはいえ、ほとんどが見学で、たまに手伝いをしても創口を鉤で開いているだけの「鉤持ち」である。その敬介がこともあろうに伊豆の富士浜の町立病院に医長として出張を命じられたのである。「大丈夫でしょうか、僕はまだ虫垂炎の手術さえ…。骨折の患者さんが来たらどうしましょう、折れていたら」「まっ、医者がいないよりいいだろう。景色はいいし、魚はうまいし、給料も出る」などとおだてられ、速成で特攻隊のように送り出された敬介、しかし、これでもれっきとした赴任である。敬介は少し自慢であった。そして春の伊豆の海は明るく、気怠げだった。

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