あゝ、荒野

角川文庫

寺山 修司 / 鈴木 成一

2009年2月25日

KADOKAWA

704円(税込)

小説・エッセイ / 文庫

1960年代の新宿ー。吃音と赤面対人恐怖症に悩む“バリカン”こと建二と、少年院に入り早すぎた人生の挫折を味わった新次は、それぞれの思いを胸に、裏通りのさびれたボクシング・ジムで運命の出会いを果たす。もがきながらもボクサーとしての道を進んでいく2人と、彼らを取り巻くわけありな人々の人間模様。寺山修司唯一の、珠玉の長編小説。

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Readeeユーザー

届かない愛情

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3.4 2021年09月30日

孤独をぶち破れ!!】 少年院あがり、自分を捨てた母親を憎む、新次。 吃音で、赤面対人恐怖症、の、バリカンこと健二。 原作では1966年の新宿が舞台。映画では2021年、新宿が舞台。かつて振り込め詐欺に手を染め、少年院を出たばかりの新次は、兄と慕っていた先輩を半身不随に追い込んだ元仲間に殴り込みをかけるが、逆に今はプロボクサーとなった相手に強烈な一撃を喰らう。倒れ込んだ新次に手を差し伸べたのが、たまたま近くに居合わせた健二だった。その様子を目撃していた元ボクサーの堀口(原作では片目)は、新次と健二を自分が運営するボクシングジムに誘う。やがて二人はプロテストに合格し、互いを高め合うが…。 同じボクシングジムにいた頃、バリカンは常に二番だった。 自分は二番目としてしか生きられない。 そんな男から見た「一番目」の男(新次)までの距離は、 思いがけないほど遠いものだった。 「見えないから届かない」 「手が届いているのにつかんでいる実感がない」 そんな感じだった。 だから離れた。 離れて新次と闘いたいと思った。 ライバルにして同志である新次。 彼を憎まなければ・・・勝てない。。。 試合のゴングが鳴り、撃ち合う二人。 バリカンのそれは、「話しかけるボクシング」だった。 拒絶されても拒絶されてもなお「話かける」ように。 前のめりに顔を突き出していく。新次のパンチが続く。 自分は打ち返せない。 ああ、憎むことができなかった。 ああ、俺はちゃんとここにいるんだ。 だから、だから、だれもどこへも行かないで。 愛するために愛されたい。。 リングの上でしのぎを削るうち、二人の関係性はより複雑で混沌になっていく。二人のいくすえは・・・。

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