
ジョーカー・ゲーム
角川文庫
柳 広司
2011年6月23日
KADOKAWA
814円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
”魔王”--結城中佐の発案で陸軍内に極秘裏に設立されたスパイ養成学校”D機関”。その異能の精鋭達が緊迫の諜報戦を繰り広げる! 吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞に輝く究極のスパイミステリ。
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悪霊(デーモン)。悪魔(デビル)。危険(ディンジャラス)。暗闇(ダークネス)。いずれもDから始まります。邪悪で得体の知れない組織ですからD機関と名付けられました。スパイ養成所・D機関が陸軍内に発足したのは、昭和12年の事でした。この年は支那事変が勃発し、時代は軍国主義一色に染まっていました。帝国陸軍内でいち早く諜報戦の重要さに気づいたのは、結城中佐でした。しかし、当時陸軍を支配していたのは、スパイは卑劣な行為であり、日本古来からの武士道に反するとの硬直化した精神論でした。 そんな時代精神の中で、結城中佐のスパイ論は異彩を放ちます。それが端的に表現された一節を本書から引用しますね。 結城「もし、貴様がスパイだったら、敵に正体を暴かれたらどうする?」 佐久間「そのときは敵を殺すか、さもなければその場で自決します」 結城「殺人、及び自決はスパイにとっては最悪の選択肢だ」 「スパイの目的は敵国の秘密情報を本国にもたらし、国際政治を有利に進めることだ。スパイが敵を殺し、あるいは自決するなどは、およそ周囲の詮索を招くだけの、無意味で馬鹿げた行為でしかあるまい」 本書は結城中佐及びD機関訓練生を巡る短編連作です。そのなかから、表題作となっているジョーカーゲームの内容を簡単に紹介しますね。参謀本部から監視役として派遣された佐久間中尉は、参謀本部の武藤大佐の命令で、D機関の訓練生たちと共にスパイ疑惑がかかったジョン・ゴードンの自宅を捜索することになりました。佐久間たちは憲兵隊に偽装して捜索を始めますが、ゴードンが全く抵抗しないことに疑念を抱きます。そして、ゴードンが「二度目の捜索」と口走ったため、佐久間は武藤の命令の意図を理解したのでした。武藤は既に一度捜索に失敗しており、その失敗を糊塗するためにD機関に二度目の捜索を命令し、失敗の責任を押し付けてD機関を解体しようとしていたのでした。
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gon
最初はん?と思ったが
昭和12年に設立された組織の話ということもあって最初は微妙だったが、何度も読むうちに気づくことや違う見方が見えてきたりして読んでてすごく楽しかった。続編も楽しみ。
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