朝鮮大学校物語
ヤン ヨンヒ
2018年3月22日
KADOKAWA
1,650円(税込)
小説・エッセイ
全寮制、日本語禁止、無断外出厳禁。大阪下町育ちのミヨンが飛びこんだ“大学”は高い塀の中だったー。そびえる壁と、外に広がる世界。恋と出会い、挫折、そして卒業。境界を疑うすべての人の胸に響く、本当の自由をめぐる物語。
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(無題)
赤と青のスピンが映えるきれいな装幀。ストーリーは主人公ヨンヒの主観で語られるが、急に客観的になりヨンヒの心理が不透明になる地の文もあって視点が定まらず没入しづらい。また、会話が続くシーンはどうも説明不足になりがちで、人物の何気ない行動に必然性が感じられずモヤモヤすることも多い。しかしヨンヒや黒木の爽やかな魅力と、朝鮮大学校というおそらく日本の小説にはあまりなかったであろう舞台設定が最後の一文まで読者を引っ張ってくれる。 一つ気になっていることがある。それはヨンヒが黒木以外の登場人物を最後まで本名で呼ばなかった理由だ。記号化された為政者を慕う、ならされた集団のなかで、たとえ蔑みの意が込められたあだ名であっても人間の個性を強調し続けることが一種の抵抗と考えたのだろうか。しかしそうしたあだ名もまた個性の一面的な表現でしかないのだからあまり説得力がない。単に、朝鮮の名前が覚えづらいであろう読者に著者が気を利かせた結果だとすればもったいないように思える。せめて親友の「ダンサー」のことは本名で呼んでも良かったのではないだろうか。
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