
日本の方言
角川ソフィア文庫
佐藤 亮一
2021年6月15日
KADOKAWA
990円(税込)
語学・学習参考書 / 文庫
塩の足りない味噌汁はウスイ? アマイ? ミズクサイ? それぞれの方言では会話が成り立たないほど、ことばの地域差が大きな日本。ドンドロ(雷)、ビッキ(蛙)、ハンカクサイ(あほ・ばか)など、地域に根ざした豊かな語彙の分布には、変転し、広まり、混じり合ってきたことばの来歴が刻み込まれている。共通語と標準語、方言周圏論、忌みことば、方言コスプレなど、基本的な用語も解説。『日本方言大辞典』を編纂した第一人者がいざなう。 序──方言とは何か 1 自 然 かみなり(雷) いなずま(稲妻) つゆ(梅雨) つらら(氷柱) つむじかぜ(旋風) しあさっては何日目? 2 食物・料理・味 さといも(里芋) じゃがいも(馬鈴薯) もみがら(籾殻)とぬか(糠) すりばち(擂鉢)とすりこぎ(擂粉木) 「甘い」と「塩味が薄い」 3 人間・生活 ほお(頬) ものもらい(麦粒腫) あざ(痣)とほくろ(黒子) つば(唾)とよだれ(涎) ゆび(指) かかと(踵) おんな(女性) あほ・ばかの方言 酒とことば 4 動植物 かたつむり(蝸牛) とんぼ(蜻蛉) カマキリとトカゲ カエル(蛙) とさか(鶏冠) うし(牛) 牛の鳴き声・雀の鳴き声 ふくろうはなんと鳴くか どくだみ つくし(土筆)とすぎな(杉菜) 5 遊 戯 おてだま(お手玉) たこ(凧) たけうま(竹馬) かたあしとび(片足跳び) えらび歌 6 文法的特徴 「雨が降っているから」(接続助詞) 「今日はいい天気だ」(断定辞) 「ミカンを皮ごと食べた」(接尾辞) 「の」と「が」の使い分け 「能力可能」と「状況可能」 進行態と完了態 「ラ抜きことば」と「レ足すことば」 7 方言の現在 方言衰退の意識 共通語化することば 方言と共通語ござ使い分けの時代 生き残る方言語彙 各地で生まれる新方言 現代社会における方言の機能 教育における方言 災害と方言 商品・標語・ポスターにみる方言 方言で遊ぶ 教養・文芸・ドラマ 方言の機能の変化 参考文献
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