
大事なものは見えにくい
角川ソフィア文庫
鷲田 清一 / 芦澤 泰偉
2012年11月22日
KADOKAWA
836円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
ひとは他者とのインターディペンデンス(相互依存)でなりたっている。「わたし」の生も死も、在ることの理由も、そのつながりのなかにある。核家族化で社会に包摂される「家族」、コミュニケーションの非在と「わたしたち」の居場所。確かなことは何もわからない、価値の遠近法が崩れた現代社会のなかで、日常の隙間に生じる違和感を育て、答えの見えない「問い」と向き合いつづける。 1 問い 人生の「課題」 納得 〈わたし〉にできること、できないこと あえて遠い居ずまいで プライドということ 身を養うということ だれもじっとしているわけではない 「忘れ」の不思議 死の経験 2 行ない 「何やってんのやら」──裏版・リーダー考 「遺憾」だけはいかん! 「自由」のはきちがえ プロにまかせる? 「監査」という仕事 デザインの思想 ブランド考 カタチから入る ことばの故郷 要約 英語はグローバル? 野次馬と職業人 「とことん」に感染する若者たち お笑いタレントの「罪」 3 間合い 受け身でいるということ 届く言葉、届かない言葉 語りの力 言葉の幸不幸 「くやしかあ」 聴きにくい言葉 あえて聴かないこと リスニング インタビューの練習 イメージと妄想 対話ワークショップ たしかな言論はどこに? 4 違い ひとを理解するということ ひとを選ぶということ 待たれる身 隣のひげについ触れる距離 あの人が突然いなくなった 恋はせつない、やるせない? 脇役 5 養い 獣医さんという存在 むかしの歯医者さん、いまの歯科医 「おいしい?」ではなく「おいしいね」 偶然を使う 「患者様」 「専門性」の罠 悲しい眼 水筒 うなぎ 6 囲い 転移──「いじめ」の論じ方をめぐって 密室化が「いじめ」を生む 学校的なもの 逆立ちの「体験学習」 いきなり本番 「無理」ということ 学びと挫け 「バイバイ」 おごり、おごられて 内向きな光景 7 佇まい 「不通」の社会 柔らかなスローガン 「顔」が変わった? 社会に隙間のあった時代 意味はなくとも 高貴なまでのしどけなさ ざわめきのなかの気品 タクシー三都物語 8 迷い 夢占い ひとは悩んで大きくなる? 減らすのはむずかしい スローライフにお忙しい? 足らざるに足るを見る 健康についてのヘンな話 身体の「正しさ」について 跨がれる時間 ラスト・ダダ 夕暮れはまだ遠い 1 いまだ思い知ることなく 2 弱気なのか意地なのか 3 洗い場のスポンジのように 4 成熟からはほど遠く 初出一覧 あとがき 文庫版あとがき
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