ちょっと今から仕事やめてくる
メディアワークス文庫
北川 恵海
2015年2月25日
KADOKAWA
693円(税込)
ライトノベル
ブラック企業にこき使われて心身共に衰弱した隆は、無意識に線路に飛び込もうしたところを「ヤマモト」と名乗る男に助けられた。同級生を自称する彼に心を開き、何かと助けてもらう隆だが、本物の同級生は海外滞在中ということがわかる。なぜ赤の他人をここまで?気になった隆は、彼の名前で個人情報をネット検索するが、出てきたのは、三年前に激務で自殺した男のニュースだったー。スカっとできて最後は泣ける、第21回電撃小説大賞“メディアワークス文庫賞”受賞作。
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すべての働く人へのエール
ブラック企業で働き、心身ともに限界になった隆は、駅で無意識に線路に飛び込もうとしたところを、「ヤマモト」という隆の同級生だと名乗る男に助けられるところからお話は始まります。「人生ってそれほど悪いもんじゃないだろう?」読み終わったとき、そう思える一冊です。 【一週間の歌】 入社一か月に目にして、現実逃避のために隆が作った歌だ。 月曜の朝は、死にたくなる。 火曜日の朝は、何も考えたくない。 水曜日の朝は、一番しんどい。 木曜日の朝は、少し楽になる。 金曜日の朝は、少し嬉しい。 土曜日の朝は、一番幸せ。 日曜日の朝は、少し幸せ。でも明日を思うと一転、憂鬱。 以下、ループ 。 どん底にいた僕の前に、ある時突然現れた、赤の他人のヤマモトに、こう問われた。 「人生は誰のためにあると思う?人生は何のためにあると思う?」 自分は答えられなかった。 「お前の人生は、半分はお前のためと、お前を大事に思ってくれてる人のためにある」 そういわれて久々に親に電話してみた。会社辞めようと思うんだと。 それもいいわね。こっちに帰ってくればいいよ。人生なんてね、生きてさえいれば、案外なんとでもなるもんよ。母がどんな思いで、その言葉を口にしたのか。「自分が死んでも誰も悲しまない」なんて一瞬でも思ったことを後悔した。両親が手塩にかけて育ててくれた命を、きっと、血を吐く思いで育ててくれたこの命を、簡単に捨てようとした、自分の愚かさを思い知った瞬間だった。 【愛する人を助けられなかった。後悔と無念】 あの子に大切なことを教えてあげられなかった。 「逃げ方」を教えてあげていなかった。自分はそれに気がついていなかった。あの子は小さいころからまじめで頑張り屋さんで。いつも頑張れ頑張れって励ましながら育ててきた。大丈夫、あなたならできるから頑張ってと。あの子は慣れない環境で、一人で頑張って頑張って。どうしようもなくなっても頑張って。逃げることも弱音を吐くことも出来ずに、とうとう壊れてしまった。どうして気がついてあげられなかったのか。そばに居たらなんとかできたんじゃないか。逃げ方を知らなかったあの子は、会社を辞めることも、誰かに相談することも出来ずに、自ら人生を降りてしまった。 ・・・ そうならないために、後悔しつづける人生にならないために、一度読んでほしい本です。短い本なので、是非一読を。
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