波の上のマリア

又吉栄喜

1998年8月31日

角川書店

1,760円(税込)

小説・エッセイ

1960年代、米軍統治下の沖縄。黒人兵にレイプされ子供を身ごもり、心に傷を負いながらも、その子を育て強く生きようと決意するホステス・ミチ。その現実と向かい合えず惰性の日々を送りながら、灯火管制訓練で自作の照明弾を打ち上げ、支配からの憂さを晴らす青年タケシ。かつて恋人同士だった二人は、対照的な生き方を選んだ。ベトナム戦争が激化し沖縄にも戦場の狂気が波及するなか、再び悲しい事件が二人を襲う…。沖縄の歴史とともに生活を続ける芥川賞作家が、琉球の土着文化と彩り鮮やかな自然を背景に綴った、アメリカだったころの沖縄の現実。待望の書き下ろし処女長編小説。

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