ぼんぼん彩句
宮部 みゆき
2023年4月19日
角川文化振興財団
1,980円(税込)
小説・エッセイ
宮部みゆきが深い洞察力と鑑賞力で12の俳句から紡ぎだした玉手箱。社会派からホラー、SFに至るまで、あらゆるジャンルに足跡を残してきた宮部文学の新たなる挑戦! 1. 枯れ向日葵呼んで振り向く奴がいる 2. 鋏利し庭の鶏頭刎ね尽くす 3. プレゼントコートマフラームートンブーツ 4. 散ることは実るためなり桃の花 5. 異国より訪れし婿墓洗う 6. 月隠るついさっきまで人だった 7. 窓際のゴーヤカーテン実は二つ 8. 山降りる旅駅ごとに花ひらき 9. 薄闇や苔むす墓石に蜥蜴の子 10. 薔薇落つる丑三つの刻誰ぞいぬ 11. 冬晴れの遠出の先の野辺送り 12. 同じ飯同じ菜を食ふ春日和
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とーちゃんの記憶装置
描く背景は人それぞれ
宮部みゆきさんの「ぼんくら」という時代ものが好きで、俳句との相性もいいのではないかと思い手に取りました。文章は読みやすくストーリーも入りやすいというのが私の宮部みゆきさんに対する印象です。 俳句に限らず、絵、歌、なんでも解釈や思い描く背景は人それぞれです。作品は、自分の手元を離れれば、一人歩きする。そんな言葉も聞いたことがあります。 ただ、私は個人的にもっと明るい背景を描いて欲しかったと感じました。家族には小説ぐらい暗くて悲惨でもいいんじゃない?現実だったらもっと嫌だよね?って言われました。確かに。。。という側面もあります。 ・散ることは実るためなり桃の花 この俳句で不倫する弁護士を目指している男性の為に尽くす女性の話を作るのは凄いと思いました。 ・月隠るついさっきまで人だった 月が隠れて人が人でなくなった。狼になるのであれば月は隠れずに出るはずだからそうではありませんでした。こんな男と思いつつ自分を見ているようで自分が情けなくなりました。妻が私に怯えないように優しくしたいと思います。 ・薄闇や苔むす墓石に蜥蜴の子 家がある側から見て二時の方向、これって家がある側から見て左後ろ?
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