適応の条件

講談社現代新書

中根 千枝

1972年11月20日

講談社

946円(税込)

人文・思想・社会 / 新書

異なる文化に接した場合の〈カルチュア・ショック〉は、日本人において特に大きい。そこには、日本社会の〈タテ〉の原理による人間関係と、ウチからソトへの〈連続〉の思考が作用している。本書は、欧米・インド・東南アジアなど、ソトの場での日本人の適応と、そこに投影された〈ウチ〉意識の構造を分析し、〈強制〉と〈逃避〉という2つの顕著な傾きを指摘する。(講談社現代新書) 異なる文化に接した場合の〈カルチュア・ショック〉は、日本人において特に大きい。そこには、日本社会の〈タテ〉の原理による人間関係と、ウチからソトへの〈連続〉の思考が作用している。本書は、欧米・インド・東南アジアなど、ソトの場での日本人の適応と、そこに投影された〈ウチ〉意識の構造を分析し、〈強制〉と〈逃避〉という2つの顕著な傾きを指摘する。著者のゆたかなフィールド・ワークをもとに、国際化時代の日本人の適応条件を考察する本書は、ベストセラー『タテ社会の人間関係』につづく必読の好著である。 システムの発見ーーゴムの産地として名高いマレーシアでは、英国統治時代からいわれてきた「ラバー・タイム」というのがある。ゴムのように伸びる時間の感覚である。熱帯ではどの国でも多少こうした傾向があるのがつねである。これに対して、約束した日時を守らないといって2年間も憤慨しつづけて過す日本人などがある。何度か同じように日時が守られなかった経験をもった場合には、怒るよりも、まず「なぜだろう」と考えるべきである。必ず何か理由があり、そのおくれ方自体に一定のシステムがみつかるものである。たとえば、1ヵ月といった場合はだいたい2ヵ月を意味するとか。表現というものは必ずしも実際の数を意味しないということは、どこの文化にもあることである。--本書より ●カルチュア・ショック ●異なる文化の拒絶反応 ●日本文化〈システム〉への逃避 ●日本的システムの強制 ●日本的信頼関係の敗北 ●厚い“ウチ”の壁 ●日本人の社会学的認識 ●連続の思考・ウチからソト ●二者間関係における連続 ●義理人情の分析

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