物理講義

講談社学術文庫

湯川 秀樹

1977年10月31日

講談社

1,122円(税込)

科学・技術 / 文庫

ニュートンから現代素粒子論まで、物理の世界はいかに創られてきたか。湯川博士は、若い人々のために随所で自分の学生時代の経験に触れながら、わかりやすい言葉で、物理学の発展の歴史を数多くの創造的天才たちの人間像にまで結びつけて述べている。本書は「すでに創られた物理学」の概説ではなく、これから「創りだす物理学」をめざして語られた、湯川物理の真髄を伝えるユニークで興味深く、しかも格調高い名講義の全録である。 0 開講にあたって 1 第1日   1.はじめに   2.素粒子の世界の奇妙さ   3.歴史から何を学ぶか   4.創造の原点に帰る   5.実在感のなかったニュートン像   6.ニュートンの物質観   7.創造の内的動機   8.ハイゼンベルクの“中心的秩序”   9.質点と剛体   10.角運動量の問題   11.ひずみと応力について   12.物理学は“思惟の経済”か?   13.遠隔力と近接力   14.マクスウェルによる解決 2 第2日   1.科学者分類学ーー孤立型 対話型 集団型   2.会議の効用   3.ニュートン力学における空間   4.ベクトルの歴史   5.空間の点に名前を付ける   6.見かけの力と本当の力   7.マッハの解釈   8.ニュートンの偉大さ   9.絶対空間をめぐって   10.“場”とは何か   11.相対論における場   12.特殊相対論による場の制約   13.ニュートン力学的因果律ーーラプラスの魔   14.余話ーーラプラスとその時代   15.特殊相対論の因果律 3 第3日   1.量子“論”と量子“力学”   2.波動ということーーエーテルから場へ   3.不確定性関係を導く二つの方式   4.物理学における認識   5.電子の拡散   6.古典的因果律からの転換   7.シュレーディンガーの猫   8.量子力学の完成ーー場の量子論   9.量子力学と特殊相対論   10.孤高の理論・一般相対論ーー一般共変性をめぐって   11.物理量と幾何学的量とのアイデンティフィケーション   12.入れ物(時空)と中身(物質)   13.一般相対論はミクロの世界と無関係か?   14.素粒子論ーー局所場と非局所場   15.差分的な考え方による可能性   16.余話ーー外界認識の連続性と不連続性 4 質疑応答 5 あとがき@###

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