芭蕉
講談社学術文庫
保田与重郎
1989年1月1日
講談社
832円(税込)
人文・思想・社会 / 文庫
いつも茶色の衣を着て、好物は蒟蒻ー。しかし芭蕉は「つねに道を思ふ激昂した心の状態に生きてゐた。彼のさびは、枯淡でなく、満眼熱涙といふ状態だつた」。俳諧の復興者、芭蕉の生涯のうちに、著者は代々の日本詩人たちの慟哭の歴史をみる。風雅の魔心に誘われて旅に生きた芭蕉は、いかにして「軽み」の光明に到達したのか。昭和文学の異才、保田与重郎が自らの文人としての志を俳聖芭蕉に託し、戦時下の世に送った画期的長編評論。
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