明治大正史 世相篇 新装版

世相篇

講談社学術文庫

柳田 國男

1993年7月5日

講談社

1,639円(税込)

人文・思想・社会 / 文庫

毎日われわれの眼前に出ては消える事実のみによって、立派に歴史は書けるものだという著者が、明治大正の日本人の暮し方、生き方を、民俗学的方法によって描き出した画期的な世相史。著者は故意に固有名詞を掲げることを避け、国に遍満する常人という人々が眼を開き耳を傾ければ視聴しうるもののかぎり、そうしてただ少しく心を潜めるならば、必ず思い至るであろうところの意見だけを述べたという。 1 眼に映ずる世相   1.新色音論   2.染物師と禁色   3.まぼろしを現実に   4.朝顔の予言   5.木綿より人絹まで   6.流行に対する誤解   7.仕事着の捜索   8.足袋と下駄   9.時代の音 2 食物の個人自由   1.村の香 祭りの香   2.小鍋立と鍋料理   3.米大切   4.魚調理法の変遷   5.野菜と塩   6.菓子と砂糖   7.肉食の新日本式   8.外で飯食う事 3 家と住心地   1.弱々しい家屋   2.小屋と長屋の修錬   3.障子紙から板ガラス   4.寝間と木綿夜着   5.床と座敷   6.出居の衰微   7.木の浪費   8.庭園芸術の発生 4 風光推移   1.山水と人   2.都市と旧跡   3.海の眺め   4.田園の新色彩   5.峠から畷へ   6.武蔵野の鳥   7.家に属する動物   8.野獣交渉 5 故郷異郷   1.村の昂奮   2.街道の人気   3.異郷を知る   4.世間を見る眼   5.地方抗争   6.島と五箇山 6 新交通と文化輸送者   1.人力車の発明   2.自転車村に入る   3.汽車の巡礼本位   4.水路の変化   5.旅と商業   6.旅行道の衰頽 7 酒   1.酒を要する社交   2.酒屋の酒   3.濁密地獄   4.酒無し日   5.酒と女性 8 恋愛技術の消長   1.非小笠原流の婚姻   2.高砂業の沿革   3.変愛教育の旧機関   4.仮の契り   5.心中文学の起こり 9 家永続の願い   1.家長の拘束   2.霊魂と土   3.明治の神道   4.士族と家移動   5.職業の分解   6.家庭愛の成長

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