小説十八史略(二)
講談社文庫
陳 舜臣
1992年2月1日
講談社
968円(税込)
小説・エッセイ / 文庫
始皇帝死後、陣勝、呉広の乱に端を発し、中国大陸はふたたび戦乱の渦にまきこまれた。項羽、劉邦の相次ぐ挙兵。大秦帝国はもろくも滅んだ。そして劉邦と項羽の争いは劉邦に凱歌があがる。漢の誕生である。文帝、景帝につづいて即位した武帝は、漢に黄金時代をもたらす。時代を動かす英雄たちの足跡。
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本シリーズ第2巻が扱うのは、秦の始皇帝の死から漢の武帝の執政初期までである。始皇帝の死から項羽と劉邦の争い、そして漢の成立までは、司馬遼太郎等の多くの作家の題材として取り上げられているが、本書もかなり多くの頁を割いており、本書だけで十分な知識が得られると思う。項羽と劉邦の争いは中国史のハイライトの一つとも言えるので、是非押えておくとよい。最近の宮城谷昌光氏の「香乱記」はまさにこの時代を取り上げながら、漢楚の争いの骨格が分かりにくいという難点があったが、本書が格好の副読本になるだろう(もっとも同氏にも「長城のかげ」という名脇役たちの目で見た漢楚の攻防に焦点をあてた良書があるが)。さて、前漢成立から高祖(劉邦)死去まで、特に韓信など功臣たちの粛清(対照的に張良の巧みな身の処し方)、呂一族の専横とその滅亡、その後の文帝の即位とその善政については、それぞれ部分的に取り上げた良書(特に宮城谷昌光氏の叙事詩とも言える「花の歳月」は必読)があるが、さらにその後の景帝の治世(特に呉楚七国の乱)および武帝即位に至るまでの女の争いについて分かりやすく教えてくれる本は、寡聞にして私は知らない。それだけでも本書は貴重である。また、宮城谷氏等の著作とは同じ登場人物でも光の当て方は異なるので、それと比較するのも一興である。要は、本シリーズでは、陳舜臣氏の史観に身を委ねて、1本筋の通った中国史の体系を確立すればよいのである。しかし圧倒的に面白い本なのであるから、読者は自然に先へ先へと読み進んで行くこと間違いなしである。本巻も傑作である。
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